出張者の新幹線手配、経費処理時に気をつけることは?効率化に役立つBTMで解決を

東京から大阪など、国内の出張では新幹線を利用する機会が多く出てきます。
新幹線の切符は管理者だけでなく出張者自身が手配することがありますが、交通費が高額ですので必ず領収書を発行してもらうよう徹底しておきましょう。また、新幹線の出張は、出張費の不正受給にもつながりやすいため、旅費規程を設けたりチェック体制を整えたりする必要があります。
ここでは、新幹線の切符を手配するときや経費処理の注意点について詳しく紹介していきます。
本記事の内容:新幹線の手配時と経費処理時の注意点
目次
新幹線を手配するときに気をつけること
出張が決まったらまずは移動手段を確保します。時間に余裕があるときは前もって新幹線の切符を手配しましょう。
以下の点に、気を付けて手配するとよいでしょう。
早めに事前予約をする
新幹線の切符を手配するときは、できる限り早めに手配することをおすすめします。それは、切符の予約が早く埋まってしまう可能性があるからです。
東京や名古屋、新大阪などの都市を結ぶ路線の運行本数は多いのですが、時期や時間帯によってはすぐに空きがなくなることがよくあります。
東京や大阪間の新幹線は、平日の昼間や夕方、特に金曜日の夕方以降は出張者で混雑しやすく、さらに人気のイベントやコンサートなどと日程が重なった場合は、予約を取るのが困難になることを覚えておきましょう。
万が一指定席で切符が手配できず、自由席の通路で立ったままでの移動になると、出張者にとって大きな負担になってしまいますので、出張の日程が確定次第すぐに手配する
新幹線手配後に出張がキャンセルとなった場合
切符手配後に出張がキャンセルとなった場合は、払い戻し手続きを行います。手続きの際は、切符の種類によって払い戻し期日や払戻手数料が異なることを覚えておきましょう。その際の手数料は、すべて会社の負担となります。
切符の種類ごとの払い戻し期日と払い戻し手数料はそれぞれ以下となります。
乗車券の払い戻し期日と払い戻し手数料
使用開始前で有効期間内であれば、手数料220円を差し引いて払い戻しされます。片道乗車券は1枚あたり手数料220円がかかりますが、往復乗車券・連続乗車券の場合は2枚まとめて220円となります。
乗車券を途中まで使用して払い戻しする場合は、乗らない区間の営業キロが1券片100kmを超える場合に限り有効期間内に申し出れば払い戻しが可能です。その際の計算は「発売額-乗車した区間の普通運賃-手数料220円=払い戻し額」になります。
自由席特急券、自由席グリーン券の払い戻し期日と払い戻し手数料
使用開始前で有効期間内であれば、1枚につき手数料220円を差し引いた差額が払い戻されます。
指定席特急券、指定席グリーン券、寝台券、指定席券の払い戻し期日と払い戻し手数料
列車出発日の2日前までなら、払い戻し手数料は1枚につき340円。出発日の前日から出発時刻までに手続きした場合は、払い戻し手数料は30%かかります。(ただし、最低最低340円から)
なお、出発日2日前を切ってからの指定席グリーン券と寝台券の払い戻しには注意が必要です。どちらも切符の金額は特急料金とグリーン料金または寝台料金の合計となりますが、払い戻し手数料はグリーン料金・寝台料金のみかかります。切符の券面に合計額と内訳がそれぞれ記載されていますので手数料の計算時に参考にするとよいでしょう。
払い戻し手続きを行う場所は?
払い戻し手続きを行う場所は、購入場所によって異なります。基本的には駅の窓口で行いますが、旅行会社で購入したときは購入した店舗で、Web予約の場合は予約サイトでそれぞれ手続きをしてください。
新幹線手配時の注意点
・時期や時間帯によってはすぐに空きがなくなるので、出張の日程が確定次第すぐに手配する
・払い戻し期日や払戻手数料は、切符の種類によって異なる
・払い戻し手続きを行う場所は、購入場所によって異なる
出張時の新幹線の領収書管理を徹底しよう
出張者が自分で新幹線切符を手配するときは、切符代が高額となることから必ず領収書を提出するように徹底しておきましょう。
新幹線の領収書が提出必須とされている理由
広島や福岡など長距離移動をしたときの切符代は30,000円以上にもなることが多く、税務調査のために領収書の保管が必要です。また、領収書を提出させることで、交通費の不正受給の防止にもつながります。
移動でかかった電車賃の領収書の提出は、 一般的には必要ありません。それは支払額が30,000円未満の場合は領収書の保存が義務付けられていないこと、交通費精算が膨大な量になると経理部の負担が大きくなるという理由があります。
新幹線の領収書の発行方法について
新幹線を使う出張者に対して、領収書の発行方法について教示しておくことが大切です。駅で切符を購入した場合、みどりの窓口なら係員にお願いし、券売機なら領収証発行ボタンを押します。
Webから切符を予約した場合の発行方法は2通りに分かれます。券売機の場合は領収書発行ボタンから発行し、チケットレスサービスはサイトにある申し込み確認画面から領収書をダウンロードします。新幹線の領収書に日付は必要ですが、宛名がなくても税法上は問題ありません。
領収書の後日発行も可能ですが…
新幹線切符の購入時に領収書の発行を忘れても、後日発行が可能です。切符を利用する前であれば、購入した駅の窓口で領収書を発行してもらえ、乗車後でも改札を通る前であれば切符を領収書として使えます。しかし、改札通過後は領収書の発行ができなくなります。出張者には購入時か発券時に、領収書を発行するルールを徹底しておくことをおすすめします。
出張交通費の着服を防ごう
社員が出張交通費を不正受給しているケースも残念ながら存在します。不正受給を防ぐためにも、不正の実例や具体的な対策について理解しておきましょう。
切符の払い戻しを悪用した不正の存在
出張費の不正受給はさまざまなケースが想定されるので、実例を把握しておくと参考になります。実際は夜行バスや高速バスなど格安の交通手段で移動し、新幹線や飛行機の切符を払い戻した差額分を不正受給したケースが報告されています。また、パックプランに変更し、申請した費用との差額分をもらった事例もあるようです。
ほかにも、出張先での宿泊を申請したにもかかわらず、実際は日帰りにして宿泊代を受け取る、申請したホテルやビジネスホテルよりも安いところに宿泊し差額分を懐に入れているケースもあるのです。さらには、架空の出張をでっちあげて遊んで帰ってくる、いわゆる「カラ出張」と呼ばれる悪質なケースもあります。カラ出張は、出張者の現地での過ごし方までは経理担当者も確認できないため、不正が発覚しにくいのです。
新幹線出張費の不正受給への対策
出張費の不正受給を防ぐためには、正確な領収書の提出を徹底させて旅費規定を周知させることがポイントです。社内ルールで交通手段や宿泊先についての明確な規定がないと、出張者の虚偽を取り締まることが難しくなります。
また、正しい領収書の提出を規定内で義務付けることで、不正を防ぐ効果が期待できるでしょう。カラ出張を防止するためには、出張の必要性や内容を証明させる出張報告書の提出を義務付けると効果的です。
出張管理システム(BTM)の導入で不正を防止
出張費の不正を防ぐために旅費規程を整備し周知させることが重要ですが、出張旅費規程に定められた内容が複雑になればなるほど、従業員の理解を深めることは難しいでしょう。また、出張前の出張申請・承認や帰社後の出張報告・経費精算など関連業務の負担や、出張者、承認者、経理担当者など関わる人員も多く、規定を正しく運営していくには効率化が求められます。そこで役立つのが、出張申請・承認・出張手配・精算まで一連のプロセスを効率化することができる出張管理システム(BTM)の導入です。
出張手続きの簡素化、一括精算で業務を効率化
出張管理システム(BTM)では、出張申請や承認などのワークフロー機能を持ったシステムもあり、ペーパーレスで申請処理の時間も格段に短縮することができるため、出張者、承認者、経理担当者、すべての業務が効率化するでしょう。
また、新幹線などの移動手段や宿泊先を一括で手配でき、社員が個々に手配する手間を削減します。かかる費用は会社へ一括請求されるため、立て替え不要で精算業務を簡素化し、カラ出張や不正請求のリスクも削減できます。
出張データの可視化で経費を削減
「誰が・いつ・どのような」出張をしているか管理者はすぐに把握することが出来るようになります。出張にかかった経費や行動が明確になることにより出張者の意識改革につながり、規定順守やカラ出張などの不正も防止できるでしょう。
また、出張状況も一元管理できるため、災害時などのリスクマネジメントへの活用や、データ分析によって、出張経費削減の推進ができるメリットもあります。
システム化で不正受給防止と仕事の効率化を目指そう
新幹線の切符代は高額であるため、領収書を発行してもらうことを徹底しましょう。領収書は税務調査のときに必要ですし、出張費の不正受給を防ぐ効果も期待できます。
また、不正受給を防ぐためには、旅費規定を設けて社員に周知させること、経費のチェックシステムを強化することが大切です。出張者、承認者、総務や経理担当者の業務効率化を図るために、出張管理システムを導入するのも手段のひとつでしょう。
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この記事を書いた人

エルクトラベル編集部
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出張手配専門旅行会社の株式会社エルク(エルクトラベル)のメディア編集部。
これまで1,000社以上の出張関連業務の効率化を支援してきた実績を活かし、出張者はもとより出張に関わる経理や総務などのバックオフィス部門にも役立つビジネス情報を発信しています。メディア運営会社:https://www.tehaiplus.com/company/outline/