人気の出張管理システム(BTM)8社を比較解説【2025年版】

JTBやHIS、日本旅行など出張手配サービスを提供している会社は多く、どれを選べば良いのか分からないという人もいるでしょう。出張手配サービス選びでは管理システムがあるという点が決め手となります。そこで、出張管理システム(BTM)について説明しましょう。
さらに、人気の数社を比較し、使い勝手の良いおすすめの出張管理システムを紹介します。
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出張管理システム比較表&ツールの選び方
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目次
出張管理システム(BTM)とは
出張管理システムとは、出張時のホテルなどの宿泊手配や、新幹線や航空機などのチケット手配、出張申請・承認など様々な関連業務を一元管理し、出張費の最適化や関連業務を効率化するシステムです。近年では出張手配の新たなサービスとして出張管理システム(BTM)を導入する企業が増加しており、注目を集めています。
出張管理システム(BTM)の必要性は?
出張手配に管理システムが求められる理由には、出張者自身による出張手配には時間がかかりすぎることが挙げられるでしょう。また、従来の出張者が旅費や宿泊費を立て替えるスタイルでの出張手配では従業員の金銭的な負担が重くなります。さらに、会社側も申請内容のチェックや出張費の経費精算業務に時間がかかり、業務効率化が図れない点が問題です。
出張中の社員の管理は難しく、不正が起こることもめずらしくないでしょう。出張規程の認識不足などで社員が無駄に出張費を使いすぎる傾向もみられ、会社の経営を圧迫する可能性もあるのです。
このような理由から、管理システムを利用し従業員と会社の両方において、業務の効率化と危機管理への問題意識を高める必要があります。有事の際にも、出張管理システムが導入されていると安心感が得られるでしょう。
出張管理システム(BTM)を導入するメリット
出張管理システムを導入すると、どのような点でメリットが得られるのでしょうか。ここではそのメリットを紹介します。
出張手配を効率化
宿泊出張の手配を行う場合、宿泊予約サイトや飛行機やJRなど交通機関のサイトでそれぞれチェックする時間がかかります。複数のサイトを行き来して予約手続きや比較を行うのは非常に手間のかかる作業です。出張管理システムでは、ホテルや新幹線をまとめて予約することで出張手配にかかる時間が大幅に削減できるのが特徴です。また各社のプランを比較しながら手配が進められますので、経費削減にもつながるのがメリットでしょう。
出張管理システムがあると、出張予約がデータ化されるのが魅力です。これまでの利用データや実績データを出張申請書や精算書の作成時に反映させられるようになることから、出張者の入力ミスも防げるでしょう。ペーパーレス化も可能になり経費の削減にもつながります。これまで時間がかかっていた出張手配や周辺業務が、出張管理システムによってより簡単・便利になるのです。
一括精算で立替負担と経費精算業務を削減
出張管理システムを導入すると、法人での一括精算サービスが利用できるようになります。出張者による立て替え払いがなくなり、出張費の精算業務や、申請書のチェック業務などの削減が可能です。出張者・管理者・経理担当者など多方面において業務の効率化が図れるようになりますので、スムーズに仕事ができるでしょう。
社員の出張を管理
出張管理システムを導入すると、手配状況が見える化されるのもメリットです。出張者の出張の状況を可視化することで、カラ出張や水増し請求といった不正も防止できます。また、従業員に管理されているという認識を高めることで、意識改革が可能になり、内部統制の実現にもつながるのです。
国内主要10社の出張手配システム比較表とツールの選び方をまとめた資料はこちら
出張管理システムで人気の会社
出張管理システムの導入が可能な出張手配サービスはいくつもあります。そこで、人気の会社8社について紹介していきましょう。
エルクトラベルの出張手配プラス

最初におすすめしたいのは、エルクトラベルが提供する出張管理システム「出張手配プラス」です。2024年10月時点で2,300社以上が利用しており、システム利用料が無料で国内外の出張手配に活用できる点が大きな魅力です。
「出張手配プラス」はWEBブラウザ上で利用できるため、いつでもどこでも簡単に出張手配ができます。たとえば、オンラインでの手続きでは、新幹線をはじめとしたJR線の手配が最短2分で完了します。
JR券については、対象区間であればQRコードで受け取ることができ、配送から受取までのリードタイムを大幅に削減します。また、東海道・山陽新幹線の予約ができる法人版「エクスプレス予約」や、JR東日本と全国のJRが利用できる「ビジネスえきねっと」と連携可能です。会員価格でコストを削減しつつ、ICカードを使ったチケットレス乗車にも対応しており、とても使いやすいと評判です。
さらに、「出張手配プラス」には出張申請機能があり、交通や宿泊、旅行傷害保険、海外Wi-Fiなど、出張に必要な多彩な手配を一元管理できます。無料ながら企業の課題解決に役立ち、出張者にとっても非常に便利なサービスといえます。
出張費の請求は一括で処理されるため、社員の立替精算は不要です。これにより、経理部門の業務効率を大幅に向上できます。
出張手配プラスの詳細をみる
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
ビズバンスJTB出張予約

大手旅行会社として知られるJTBグループの株式会社JTBビジネストラベルソリューションズが提供する出張管理システム「ビズバンスJTB出張予約」は、国内外のオンライン予約ツールにより、効率的な出張予約、一元管理が可能です。また、同じビズバンスシリーズのビズバンスJTB経費精算(※旧J’sNAVI NEO)とセットで導入すると、出張申請から出張手配、経費精算までシームレスにデータ連携され、企業の出張関連業務を大幅に効率化します。
ビズバンスJTB出張予約のメリットとしては、法人向けの割引運賃が用意されていることから、出張コストの削減にも期待できます。さらに、法人での一括払いにも対応しており、出張者の立替精算を減らせることから、企業の経理部門の負担を大きく軽減することが可能です。
また、ビズバンスJTB経費精算では、領収書はスマートフォンで撮影し、画像をアップロードするだけで精算書に紐づけられる機能を搭載。仕訳も簡単で、仕訳データを会計システムに連携できるため、業務効率化をさらに加速させると評判の管理システムです。
導入にあたっては、初期費用や月額費用に加え、オプション費用なども必要になります。そのため、十分な予算が確保できる大企業向けのサービスといえます。
関連記事:
JTBの出張管理システム「ビズバンスJTB出張予約」を解説
HIS BTM Portal(エイチアイエス ビーティーエム ポータル)

JTBと並ぶ大手旅行会社として知られるHISでは、法人向けの出張手配管理システム「HIS BTM Portal」を提供しています。海外旅行に強いHISらしく、海外航空券を格安で購入できるほか、システムを利用することで旅程や旅費の管理も可能です。海外拠点を多く持ち、販売網が豊富なHISならではのリスクマネジメント体制が評価されており、安心して利用できる管理システムとして高い評判を得ています。
国内出張についても、ANA BizやJALオンライン、ビジネスえきねっとなどとシステム連携しているため、外部システム経由でスムーズに手配できます。さらに、出張申請などの電子承認機能を使うことで、管理運用をより効率的にすることが可能です。法人の一括払いにも対応しているので、企業の出張業務全般を大幅に効率化できます。
関連記事:
HISの出張手配サービスは海外旅行に強い!メリット・デメリットは?
Racco(ラッコ)

楽天トラベルが提供する「Racco」は、出張予約データを一元化できる管理システムを導入しており、12,500社以上の企業が利用している人気のサービスです。管理画面上で「誰が」「いつ」「どのような出張」をしたのかをひと目で把握できるため、出張の予約状況を簡単に確認できます。
また、利用した出張手配は月ごとにまとめて一括請求されるため、社員の立替払いや後日精算の手間を大幅に削減できるのも大きなメリットです。さらに、無料で利用できる点も魅力で、経費削減を重視する企業にとって導入しやすいシステムといえます。
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楽天トラベルの出張手配サービス「Racco」を解説
Concur Travel(コンカートラベル)

海外出張で事故やテロに遭遇した際のリスクマネジメントを強化したい企業におすすめなのが、SAP Concurが提供する「Concur Travel」です。有料のシステムではありますが、コストを抑えた出張手配が可能なため、出張経費の削減にも貢献します。
さらに、Concur Travelには、出張申請と承認業務の流れを「見える化」できる機能が備わっているため、面倒になりがちな承認プロセスをスムーズに管理できます。また、モバイルアプリにも対応しており、飛行機やホテルなどの予約を効率よく行える点が魅力です。
経費精算システム「Concur Expense」と併せて導入することで、Eレシートを活用した経費入力の自動化が実現でき、経費精算業務を大幅に省力化できます。これらの機能により、海外出張の安全対策だけでなく、コスト管理やワークフローの効率化にも大きな効果が期待できます。
じゃらんコーポレートサービス

リクルートが運営するじゃらんnetの法人版「じゃらんコーポレートサービス」は、導入企業が24,000社以上を誇る、非常に人気の高い出張手配管理システムです。登録されている宿泊施設の数は国内最大級で、企業のニーズに合った宿泊先を柔軟に選べることから、多くの利用者に支持されています。
管理システム自体は無料で利用でき、出張手配の一元管理が可能なため、業務効率が大幅に向上します。支払い方法は、従業員による立替か、企業による一括払いかを導入時に選べるので、宿泊費を定額支給している企業でも利用できる点も魅力です。
また、経費精算システム「Concur Expense」とのデータ連携にも対応しているため、経理部門の負担を軽減し、経費精算業務の効率化に大きく貢献します。
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じゃらんコーポレートサービスとは?特徴やメリット・注意点を解説
国内主要10社の出張手配システム比較表とツールの選び方をまとめた資料はこちら
出張なび

日本旅行が提供する「出張なび」は、24時間いつでも出張手配ができる管理システムです。手配できる商品の種類が豊富で、中でもJR券の手配に強い点が大きな特徴となっています。有料のシステムではありますが、法人版「エクスプレス予約」をはじめ、「e5489コーポレートサービス」「ビジネスえきねっと」に対応しているため、東海道・山陽新幹線や山陽・九州新幹線、北陸新幹線など、全国のJRの特急列車をチケットレスで手配できるのが魅力です。
国内航空会社はANAやJALだけでなく、スターフライヤーやスカイマーク、AIR DOなどの法人専用システムとも連携可能なため、選択肢が豊富に用意されています。宿泊予約は「じゃらんコーポレートサービス」や「ベストリザーブ・宿ぷらざ」と連携し、レンタカーや海外出張手配もオンラインツールで航空券やホテルの予約が行えます。日本旅行の「赤い風船商品」など、オンラインで取り扱っていない商品については専任オペレーターによる電話対応が可能です。
さらに、「出張なび」は必要に応じて経費精算システム「Concur Expense」とのデータ連携もカスタマイズできるため、経理部門の業務効率化にも貢献します。多彩な連携機能とサポート体制により、企業の出張管理を大きく支援してくれるサービスといえるでしょう。
出張なびも初期費用や月額費用に加え、オプション費用なども必要になりますので、大企業向けと言えるでしょう。
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日本旅行の出張なびを解説!海外・国内どんな出張に強い?
BORDER(ボーダー)

BORDERは、株式会社ボーダーが提供する出張手配サービスです。独自のチャットシステムを利用して日程や希望条件をオペレーターに伝えるだけで、複数の提案を受け取れるため、自分で調べる手間を大幅に削減できます。グループチャットにも対応しており、出張者だけでなく管理者も一緒にやり取りできるため、関連業務の時間を大きく短縮できる点が魅力です。
提供される管理システムを使えば、全社員の渡航データが一元管理され、出張の状況を一目で把握できます。また、経費精算システム「Concur Expense」へのデータ連携にも対応しており、経費精算業務の効率化を実現可能です。システムは継続的にアップデートされており、2025年1月現在では国内外のホテル予約と国内航空券のオンライン予約機能が搭載されています。これにより、「出張者自身で予約したい」というニーズにも柔軟に対応できるようになりました。
どこがおすすめ?出張手配サービスを比較
管理システム付の出張手配サービスを使うと、社員の行動管理や意識改革ができるだけでなく、出張費の一括請求が可能になり業務効率がアップします。
ただ、管理システムにはそれぞれ異なった特徴がありますので、JTBとHISの大手2社とエルクトラベルを比較してみましょう。
効率の良さと使い勝手は?
出張手配を利用する際に重要なのは、スピーディーに手配できるかどうかです。同時に、使い勝手の良さもシステム選定の大きなポイントになります。多くの会社では予約の段階までスピード感がありますが、手配したチケットをオフィスで受け取らなければならない場合などは、想像以上に時間がかかってしまうことがあるでしょう。
新幹線をはじめとしたJRの切符を予約する場合、JTBやHISのBTMではJR各社との法人契約が必要なチケットレスサービスを利用するため、審査におよそ2か月ほどかかるケースがあります。また、利用予定額が少ない場合には承認が下りず、チケットレスサービスを使えない可能性も。さらに、紙の切符の郵送対応は行っていないため、出張規模によっては駅で切符を購入する手間が発生するかもしれません。
一方、エルクトラベルではJRのチケットレスサービスに加えて、QRコードを使った駅の指定席券売機での受け取りにも対応しているため、急な出張でもすぐにチケットを入手できます。紙の切符の配送にも対応しているので、役員や招待者の手配などで紙の切符が必要な場合でも柔軟に対応できるのが大きな魅力です。
予約したチケットのデリバリー | |
---|---|
JTB | チケットレスのみ※利用に審査が必要 |
HIS | チケットレスのみ※利用に審査が必要 |
エルクトラベル | チケットレス・QRコードで駅で受け取り・切符配送 |
経費削減が可能?
旅行代理店最大手のJTBは、自社のホテル商品を優先的に提供するため、ホテル在庫において優位に予約できる可能性があります。一方、エルクトラベルでは楽天トラベルやじゃらんと提携しているため、多数のホテルから安価で出張に最適な施設を選べる点が魅力です。
また、国内パッケージ商品を利用したい場合、HISでは取り扱いがない一方、JTBには自社のパッケージ商品が豊富に用意されているため、パッケージでの出張が可能になります。エルクトラベルにおいては、JTBを含む複数社のパッケージ商品を取り扱っているため、さらに多くの選択肢から最適なプランを見つけられるでしょう。
加えて、エルクトラベルでは、これまでの出張データを活用して経費削減につながる手配方法を提案してもらえるため、費用対効果を高めたい企業にとって大きなメリットとなります。
国内ホテル | 国内パッケージ | |
---|---|---|
JTB | 自社商品を優先販売 | 自社商品を優先販売 |
HIS | じゃらんコーポレートサービスと連携 | 取扱いなし |
エルクトラベル | 楽天トラベルRacco・ じゃらんコーポレートサービスと提携 |
JTBを含む複数社の商品から選択可能 |
海外出張での便利度は?
海外出張が多い企業にとっては、海外に特化したサービスや機能の充実度が重要です。HISは海外旅行に強みを持ち、自社商品として海外ホテルを多く取り扱っています。また、海外航空券が安く利用でき、海外支店のネットワークも豊富なため、緊急時のサポート体制に優れているのが魅力です。
JTBも同様に、海外ホテルの自社製品が充実しているほか、海外のツアーデスクを利用できるため、トラブルが発生した場合でも安心して対応を依頼できます。しかしながら、HIS・JTBともに海外航空券の発券手数料が料金連動型となっており、出張費が高額になる可能性がある点は留意が必要です。
一方、エルクトラベルでは発券手数料が定額となっているため、コストを抑えた海外出張手配が可能です。海外ホテルに関してはエクスペディアと連携しており、海外Wi-Fiやレンタカーも同時に予約できるため、手配の手間を大幅に減らせます。さらに、24時間いつでも連絡できる時間外サポートサービスがあるため、緊急事態が発生しても安心です。
海外ホテル | 発券手数料 | 便利な機能 | |
---|---|---|---|
JTB | 自社商品を優先販売 | 料金連動型 | 主要国にツアーデスクが豊富 |
HIS | 自社商品を優先販売 | 料金連動型 | 海外のネットワークを網羅 |
エルクトラベル | エクスペディアと提携 | 一律 | 24時間サポートあり |
管理システム付の出張手配ならエルクトラベル
出張手配に管理システムを導入すると、申請業務などとデータが連動し、業務効率を大きく向上させることができます。さらに、一括請求機能を備えたシステムを利用すれば、社員による面倒な精算作業を削減できる点も大きなメリットです。
管理システムを導入することで、企業は出張業務に関わる多方面のメリットを享受できます。とりわけ、エルクトラベルの出張手配管理システムなら、大手旅行代理店よりもリーズナブルで快適な出張手配が可能です。もし、管理システムを兼ね備えた出張手配サービスを探しているのであれば、エルクトラベルを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
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