カラ出張とは?発覚時に会社のすべきこと&不正請求を防ぐ仕組みを解説

  1. HOME
  2. カラ出張とは?発覚時に会社のすべきこと&不正請求を防ぐ仕組みを解説
  3. 情報コンテンツ
  4. カラ出張は防止できる?総務・経理が覚えておきたい不正の手口と防ぐ仕組みとは?

カラ出張は防止できる?総務・経理が覚えておきたい不正の手口と防ぐ仕組みとは?

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
カラ出張は防止できる?総務・経理が覚えておきたい不正の手口と防ぐ仕組みとは?

経費精算の不正の中でも特に起こりやすいと言われているカラ出張(空出張)。

見過ごしてしまうと会社に損害が出るばかりか、不正をはたらいた者を社内にとどまらせることになり、会社にとっても社員にとってもプラスになることは決してありません。

会社としてカラ出張を事前に防ぐために、不正の手口や種類を知り、予防策と対処法を解説いたします。

 

 

カラ出張(空出張)とは?企業の抱える課題

カラ出張(空出張)とはいったいどんな不正なのか。

ここではまずはカラ出張(空出張)の定義や起こりやすい理由を説明いたします。

 

カラ出張(空出張)とは?

カラ出張(空出張)とは、実際に行っていない出張やかかっていない交通費や宿泊費などの出張費を会社に申請し経費や手当を不正にだまし取ることです。

カラ出張は単なる社内規定違反というだけでなく、れっきとした犯罪行為です。

実際にはかかっていない費用を請求して着服した場合は詐欺罪に相当し、領収書の偽造や修正をした場合は有印私文書偽造罪や有印私文書変造罪にあたります。

詐欺罪の懲役は10年以下、有印私文書偽造罪や有印私文書変造罪の懲役はともに3カ月以上5年以下です。

 

カラ出張が起こりやすい理由

出張に関する経費は会社から離れた場所で発生するため、上司や総務・経理担当者が気づきにくいといった事が言えるでしょう。

また、社員数が多い会社ほど、日々の出張申請や交通費申請の数も多くなり、不正を見落としてしまうケースも多くなるといわれます。

 

出張旅費精算に関する企業の課題

出張旅費精算を管理する企業側には課題や問題点はあるのでしょうか。

一般社団法人日本CFO協会のレポート「出張費用マネジメントの実態調査における課題と対応策」では、内部統制に関して以下の問題点を明らかにしています。

  • 上司は旅費規程に違反していないかを十分にチェックしているかの質問に対して「チェックが不十分・ほとんどチェックしていない」の合計が41%
  • 社員の旅費規程の理解に関して、「理解が不十分・ほとんど理解していない」の回答が約30%
  • 旅費規定における違反が発生しているかの質問に対して「全く発生していない」の答えがわずか25%しかいなかった

アンケート結果から従業員の旅費規定に関する理解が行き届いておらず、上司のチェックも不十分なため旅費規程違反をほとんど防止できていないという課題が浮かび上がってきました。

 

カラ出張の手口とは?

では、実際のカラ出張の手口とはいったいどんなものなのでしょうか。

ここでは、カラ出張などの不正な経費精算の手口について解説いたします。

 

不正の手口①:架空の出張申請をする

実際に行っていない架空の出張を報告し、出張旅費や日当などを不正に受け取る手口です。

出張そのものをでっちあげる行為は、一般社員ではなかなか難しい手口と思われがちですが、しっかりと出張管理を行っていないと十分起こってしまいます。

 

不正の手口②:交通費の水増し

電車やバスなどは領収書の取得が困難なため、領収書の提出を免除している企業も多くあり、その制度を悪用して交通費を水増しする手口です。

実際に利用したルートよりも高いルートで申請し、差額を不正受給します。

 

不正の手口③:新幹線などチケットの払い戻し

出張旅費として支給された新幹線や航空券などのチケットを払い戻し、より安価なチケットや交通手段を買い直し、その差額を着服する手口です。

自身でいったん購入し領収書を会社に提出した後に払い戻すと言ったケースも見られます。

 

不正の手口④:宿泊先を変更し差額を着服する

ホテル予約サイトなどで事前決済で予約し、領収書を取得した上で、もっと安価なホテルへ変更しその差額を着服する手口です。

 

不正の手口⑤:金券付きプランで予約

クオカードなどの金券付き宿泊プランを予約し、金券を横領する手口です。

領収書には金券分も含んだ金額が記載されるため、出張者に手配を任せている場合は、発見が難しいことも。

 

不正の手口⑥:接待交際費の水増しや私的交際費の申請

取引先などを接待した場合の飲食費用は接待交際費として経費申請できますが、出張中の食事でも仕事と関係のない昼食代や夕飯代は私的交際費となり該当しません。

こういった領収書を他の接待交際費に紛れ込ませて申請する手口や、取引先の人数を水増しする手口もよく見られます。

 

 

出張費の立替精算をカットしてカラ出張を防止!無料で使える出張管理システム「出張手配プラス」

 

 

カラ出張に気づいた時の対応方法とは

もしカラ出張を発見したときは、どのように対応すればよいでしょうか。

適切な方法を知らずに対応すると相手を取り逃がしてしまう事もあるでしょう。

ここからは、対応方法や手順を解説いたします。

 

まずはしっかり調査。証拠をそろえて本人確認を

カラ出張が発覚したら、まずはあせらずにしっかりと調査をする事です。

疑いがあるというだけで本人に問いただしてしまっては、しらを切られ証拠を隠滅されてしまう場合もあるでしょう。

そのため、必要な分だけ客観的な証拠を事前に集めておきましょう。具体的には以下の物があります。

  • 領収書の金額や具体的な内容
  • チケットなどの購入履歴やキャンセル履歴
  • ホテルの宿泊履歴
  • 出張先へのヒアリング

客観的な証拠がそろったらいよいよ当人へ事実確認を行います。

もし社員がカラ出張を認めたらその場で自白内容を書面にし、本人に署名させます。

言った言わないの水掛け論にならない為に、時間を空けずその場で署名させるところがポイントです。


懲戒処分だけじゃない。民事訴訟や刑事事件に発展することも

カラ出張による不正の事実を社員が認めたら、就業規則にのっとり厳格に処分を下します。

長期にわたる不正や、手口の悪質性、被害額の大きさなどにより減給・降格・懲戒解雇など処分だけでなく、民事訴訟や刑事事件にまで発展することもあるでしょう。

懲戒処分などの妥当性については、被害額や悪質性などで変わるため、事前に弁護士へ相談すると良いでしょう。

 

仕組みづくりが重要!カラ出張を防ぐ対策

しかし、重要なのはカラ出張が起きてから対応することではなく、あらかじめ不正を防ぐ仕組みづくりが一番大切です。

ここからは、具体的な予防策について紹介していきます。

 

ICカードの履歴や領収書提出の必須化

カラ出張の予防策の一つとして、電車やバスなどの領収書の提出が困難な経費利用については、会社支給の交通系ICカードの利用が効果を発揮します。

券売機やICカードリーダーで利用履歴を確認・出力できるので領収書の代用になります。

また、交通機関の利用日や区間も確認できるため、行動実態の把握にも役立ちます。

その他、タクシー代などの交通費やホテル代などの領収書は必須の提出とし、航空機利用の場合は、搭乗券の半券の提出も必須とします。

 

出張旅費規程を整備する

出張旅費規程とは、出張に関する旅費の取り扱いについて定めた規程です。

会社ごとに規定の内容は異なりますが、出張旅費規程に定めた経費の取り扱いルールにのっとっていれば、出張経費として認められます。

出張費に関する規定が明確でないとカラ出張を誘発する原因ともなりますので、出張旅費規程を制定したり、既存の規定の見直しをすることも大切です。

出張旅費規程で、交通費や宿泊代の役職ごとの上限金額を設定することにより、不正な水増しなどを防止することに加え、出張費の節約にもつながります。

また、出張旅費規程で日当(出張手当)を適切な範囲で定めておけば、経費として扱われ、会社・社員双方にとって節税になります。

さらに、出張申請・承認や出張報告書の提出を必須とすることも有効です。かかった費用の確認だけでなく、業務実態を把握することで内部統制の強化につながります。

関連記事:
出張旅費規程で節税になる?制定するメリットと作成時のポイントとは

 

出張旅費規定に対する社員の理解度を上げる

きちんと出張旅費規程を整備しても、運用する社員一人一人が理解していなければ不正はなくなりません。

コンプライアンスで最も重要なのは、社員による規定の理解です。

規定への理解が十分でない場合は、出張者や承認者、他の社員の業務効率の低下や無駄な経費の発生、さらには不正の原因になりかねませんので、会社として社員へ明確に規定を示す必要があるでしょう。

 

チェック体制を整える

カラ出張の防止には、不正を見落とさないようしっかりとチェックできる体制や仕組みを作ることが重要です。

多くの会社では、経理部門で精算書と領収書のチェックを行っていますが、総務や経理の担当者では、出張内容と旅費精算書の内容に矛盾があるかまでは判断がつきません。

そのため出張申請や旅費精算書を承認する上司は、社員の出張内容をしっかりと把握し、矛盾はないか確認する責任があります。ここでのチェックが十分でないと、不正を働いてもバレないという印象をもたれかねないので、少しでも矛盾点がある場合にはしっかりと申請者へ確認することが重要です。

 

立替精算を削減する

出張手配を出張者自らが行い立替精算をしている会社では、精算の際に現金の収受が発生することから、少なからず不正が発生する可能性があります。

立替精算時に領収書の添付を義務付けていても、私的な領収書を提出するなどしてカラ出張などの不正を働く場合があります。

出張手配を依頼する旅行会社を会社で定めて法人契約をするなどし、立替精算自体を削減することによって、不正をおきにくくすることが可能です。

関連記事:
立替経費の精算方法と注意点は?面倒な立替精算は廃止できる?

 

出張管理システムの導入

出張管理システムの導入もカラ出張防止に役立ちます。

出張管理システムを通じて交通や宿泊などの手配を行うと、出張者の交通機関の利用状況や予約変更履歴などを管理画面から確認できるようになります。宿泊場所や交通機関変更による差額着服の早期発見やチェック体制を整える上で非常に役立つでしょう。

さらに出張データは、上司や総務・経理担当者とも共有できるので、旅費精算書の作成が不要となり精算フローに関わる関係者の負担を減少させます。

しかし、出張手配・管理サービスは、提供会社によってシステムの利用料がかかる場合や、提供されないサービスがあるため注意が必要です。

 

カラ出張対策に!出張手配プラス導入のメリット

カラ出張対策にも有効な出張手配・管理サービスですが、サービス提供会社は数あれど、提供会社によってシステムの利用料がかかる場合や、提供されないサービスがあるため注意が必要です。

数ある出張手配・管理サービスの中でも、出張手配にかかる費用をおさえ、簡単に手配や出張管理を可能にできるのがエルクトラベルの出張手配プラスです。

初期費用・月額使用料などかからず無料のサービスですが、出張内容を見える化し、管理部門で出張状況を把握できるため、規程遵守やカラ出張などの不正防止に役立ちます。宿泊手配は法人専用のプランが利用でき、金券付きプランの除外や上限額設定などの制御で不正対策にも効果を発揮します。

 

社員を守るためにも仕組み作りでカラ出張対策をしよう

カラ出張などの経費精算の不正対策には、出張旅費規定を整備したり、社員からの申請を承認者が細かくチェックしたりするなど、カラ出張が起こらないような事前の仕組み作りが非常に重要です。

仕組みを厳しくしていくことは、社員を信用していないように見られるかもしれません。

しかし、不正を行いにくくすることによって、真面目な大勢の社員を守ることにつながり、お互いの信頼関係を損なわずに会社の雰囲気を維持できます。

社員と会社を守るためにも、しっかりとした仕組みづくりと、出張手配・管理システムの導入をぜひご検討ください。

 

関連記事:
出張後のそのまま旅行はNG?経費精算をテーマに解説

 

出張関連業務の効率化・内部統制の強化には無料の出張管理システム「出張手配プラス」

サービス導入提案書 表紙

出張手配プラス サービス概要資料

出張関連業務の生産性アップ・内部統制強化には、無料の出張管理システム「出張手配プラス」がオススメです。出張手配・経費精算の効率化や不正申請防止など、毎月の手間やコストを大幅削減しながらリスク管理ができる仕組みを紹介します。

サービス紹介資料をダウンロードする

この記事を書いた人

エルクトラベルロゴ

エルクトラベル編集部

プロフィール :
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

contact

1分で完了!詳しいサービス資料を無料でご用意しております。

ご不明な点などございましたらお気軽にお問合わせください。

お電話でのお問い合わせはこちら

03-6261-2309

【受付時間】平日10:00 〜 18:00(土日・祝除く)

資料ダウンロード