【経費削減アイデア12選】かさみやすいコストを抑える効果的な方法を総まとめ

会社が利益を上げるためには、売上をアップさせることと、経費を少なくすることの両方が重要です。どちらも取り組むべき課題ではありますが、経費削減は会社内部の努力によってできることであるため取り組みやすいでしょう。経費削減に成功すれば、少ない売上でも利益を出せるようになります。
そこで、この記事では、経費削減の具体的なアイデアと取り組む際のポイントについて解説します。
この記事の内容:経費削減のアイデアと取り組む際のポイント
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目次
- 経費削減とは?節減との違いは?
- 経費削減案を立てる具体的な流れ
- 経費削減アイデア12選~すぐに実行できるものから大幅コストカットまで~
- 経費削減アイデア①:コピー・印刷費を削減する
- 経費削減アイデア②:ペーパーレス化を推進する
- 経費削減アイデア③:消耗品のコストを抑える
- 経費削減アイデア④:水道・光熱費を減らす
- 経費削減アイデア⑤:通信費を節約する
- 経費削減アイデア⑥:賃料を下げる
- 経費削減アイデア⑦:人件費の費用対効果を高める
- 経費削減アイデア⑧:出張費・交通費の見直し
- 経費削減アイデア⑨:ポイント・クーポンの活用
- 経費削減アイデア⑩:経費精算システムの導入
- 経費削減アイデア⑪:業務のアウトソーシング
- 経費削減アイデア⑫:税理士に節税依頼
- やってはいけない経費削減もある
- 経費削減を進めるポイント
- 経費削減への近道!出張管理システムのメリットとは?
- 経費削減は大きな経費、小さな経費の双方向から取り組むことが重要
経費削減とは?節減との違いは?
そもそも「経費削減」とは、事業で発生する費用を削ることを指します。経費削減に取り組むことでコスト削減して利益率を高められるため、利益向上を狙う企業にとっては非常に重要な取り組みとなります。たとえば消耗品をリサイクルできるものに変えたり、オフィスのガスや電気の見直しを進めたりなど、一つずつチェックすることも経費削減になります。
削減と似た言葉に「節減」がありますが、節減とは無駄を発生させないという意味が強く、従業員に対して「節約」のような取り組みを求めることを指します。電気や水道の使用量を減らしたり、ミスした書類の裏にメモをしたりなどの普段からできる取り組みで、経費削減より簡易的かつ細かい点の費用発生を抑えるという使い方です。
経費削減案を立てる具体的な流れ
まずは、経費削減案を立てるための具体的な流れからみていきましょう。
ポイントを5つに分けてそれぞれ説明します。
- ①削減対象の把握
- ②コスト分析・測定
- ③経費削減案の立案
- ④目標の設定
- ⑤経費削減策の実行
①削減対象の把握
経費削減を効率的に進めるためには、まず削減可能な経費にはどのようなものがあるかを把握することから始める必要があります。削減可能な対象を見つけたい場合、全体に占める割合が高い勘定科目に的を絞るというのも有効な選択肢です。
また、比較的改善しやすい項目から手を付けるのもよいでしょう。現状をしっかり分析し、削減対象を洗い出すことが重要です。そうすることによって、改善すべき項目が明確になり、経費削減を進めやすくなります。
②コストの分析・測定
コスト削減の対象が絞り込めたら、次に対象コストの分析と測定を行います。対象となった勘定科目ごとに、現状のコストを測定し、削減できる部分がないかどうかを分析していくのです。会計システムに蓄積されている勘定科目ごとのコストデータを詳細に分析することによって、費用の中身を詳細に分解していくと取り組むべきことが見えてきます。
③経費削減案の立案
各費用項目の詳細を把握できたら、経費削減案の立案に移ります。無駄なコストが発生している場合は、そのコストをカットすることで削減できます。
また、以前からのやり方のままでは削減できないコストについては、業務のやり方を変えることによって削減できないかなどの検討も必要です。できるだけ具体的な取り組みに落とし込むことがポイントになります。
④目標の設定
取り組むべき経費削減案が立案できたら、削減金額の目標設定を行うことも重要です。目標金額を設定せず漠然と経費削減に取り組んでも、効率は限定的になってしまう可能性があります。
目的や目標金額を明確にすることによって目標達成の意欲が生まれ、コストの削減が進みやすくなるでしょう。また、達成時期についての目標設定も大切です。
⑤経費削減策の実行
経費の分析や削減案立案、金額や時期の目標設定が終わったら、いよいよ経費削減策の実行です。実行にあたっては、定期的に進捗状況を確認することも大切なポイントになります。目標達成の時期に向けて順調に進んでいるかどうかのチェックを行い、遅れている場合は取り組みを加速させる、目論見通りに進まない場合は別の方法に変更するなどの軌道修正を行うことが必要です。
経費削減アイデア12選~すぐに実行できるものから大幅コストカットまで~

経費削減を実現するための方法は、すぐに実行できる小さなアイデアから大幅なコストカットにつながる改善策までさまざま。ここでは、具体的な経費削減のアイデアを8つ紹介します。
- ①コピー・印刷費を削減する
- ②ペーパーレス化を推進する
- ③消耗品のコストを抑える
- ④水道・光熱費を減らす
- ⑤通信費を節約する
- ⑥賃料を下げる
- ⑦人件費の費用対効果を高める
- ⑧出張費・交通費の見直し
- ⑨ポイント・クーポンの活用
- ⑩経費精算システムの導入
- ⑪業務のアウトソーシング
- ⑫税理士に節税依頼
経費削減アイデア①:コピー・印刷費を削減する
初期設定や用紙の変更、コピー機の保守メンテナンス頻度の見直しを
1つ目の経費削減アイデアは、コピー・印刷費の削減です。
まず、印刷のデフォルト設定を白黒印刷にするなど初期設定を変更する方法が挙げられます。不要なカラー印刷を減らすことが可能です。また、用紙の変更も選択肢の1つです。社外用の印刷物は普通用紙を使い、社内用は安い用紙や裏紙を使うなどの方法があります。裏紙を再利用しやすいように環境を整えることも必要です。さらに、コピー機の保守メンテナンス頻度を減らすために見積もりを取得して、より安いコストでメンテナンスをしてもらえるように契約変更する方法もあるでしょう。まずは、総務部門で使用状況の調査から始めてみましょう。
経費削減アイデア②:ペーパーレス化を推進する
会議での資料コピー配布の廃止、チャットツールの導入も◎
2つ目の経費削減アイデアは、ペーパーレス化の推進をして用紙代と印刷代を減らす方法です。社内用の書類印刷を控えるように周知する、会議では資料のコピー配布をやめて、パソコン持参もしくはスクリーン投影で対応するなどの方法があります。また、電話の伝言はメモで渡さずチャットツールで伝えるなどの方法も有効です。 ペーパーレスが進むことによって、紙代、印刷代の節約だけでなく、のりやボールペン、ホチキスなどの文房具関連備品コストの削減、時間の削減にもつながります。
経費削減アイデア③:消耗品のコストを抑える
ネット購入、まとめ買いで節約。過剰ストックの見直しも効果的
3つ目の経費削減アイデアは、総務などで調達する消耗品を抑えることもすぐにできるコスト削減案です。対象となる消耗品としては、ボールペンや修正テープ、ふせん、のりなどがあげられます。ペーパーレスを進めても、最低限の消耗品は必要です。これらの消耗品をできるだけ低価格で購入することがコストダウンにつながります。価格比較が容易なインターネットでの購入、まとめ買いなどが有効です。
また、過剰なストックの見直しや品目を減らすことも効果的です。同じボールペンでも使い勝手によって何種類も用意してしまうと、過剰在庫になってしまい余計なコストがかります。必要最小限の種類に絞り、適切な量をストックするとよいでしょう。
経費削減アイデア④:水道・光熱費を減らす
エアコン使用時間の制限。電力会社の見直しも視野に
4つ目の経費削減アイデアは、水道・光熱費を減らすことです。水道・光熱費は見逃しがちなコストですが、ぜひ取り組みたい削減項目です。エアコンは主な光熱費の1つであり、就業時間に合わせてエアコンの使用時間を制限するなどの方法が考えられます。また、残業時間は、必要な場所だけ電気を使用し、それ以外は消灯する方法も有効です。電力会社の見直しも視野に入れるとよいでしょう。
経費削減アイデア⑤:通信費を節約する
社用電話の契約見直し、不要な電話回線の解約、プロバイダ変更でネット通信コストを削減
5つ目の経費削減アイデアは、通信費の削減です。企業活動に欠かせない経費ですが、削減する方法はあります。たとえば、社内電話をより安い法人契約やIP電話に移行させる、不必要な電話回線を解約する、プロバイダを変更してネット通信コストを削減するなどの方法を試すとよいでしょう。
経費削減アイデア⑥:賃料を下げる
レイアウトの見直しも◎ 固定費の見直しは大幅カットが期待できる項目
オフィスなどの賃料を引き下げる施策は、大幅カットが期待できる項目です。事務所が賃貸の場合は、レイアウトを見直して最小スペースで業務を行い、余った部分は賃貸契約を打ち切ると賃料を削減できます。併せてテレワークを推進することでオフィス面積の縮小も可能で更なる経費削減が期待できます。さらに、賃料引き下げ交渉の余地があれば、お願いしてみることも大切です。事務所以外に倉庫などを借りている場合も同様の取り組みを行うと、賃料全体の引き下げにつながります。
経費削減アイデア⑦:人件費の費用対効果を高める
マニュアル化やシステム導入で効率アップ! 費用対効果を主眼に
7つ目の経費削減アイデアは、人件費です。人員整理を行えば人件費は削減できます。しかし、人は会社の貴重な財産であるため、単純に人を削減するのは得策とは言えないでしょう。まずは、マニュアル化によって業務効率を上げたり、システム導入で作業時間を減らしたりする取り組みを優先するとよいでしょう。また、ツールを活用することで重複入力を減らすなどの方法も有効です。人件費に関しては、費用対効果を高めることを主眼に置いて取り組むことがポイントだと言えます。
経費削減アイデア:⑧出張費・交通費の見直し
宿泊先・移動ルートの最適化し、さらに管理方法の見直しやシステム導入で効率的に
8つ目の経費削減アイデアは、出張費や交通費の見直しです。経費削減方法としては、以下の方法があります。
- 適切な移動ルートを使う
- 出張手配はなるべく早期に行う
- ホテルや交通機関と法人契約を結ぶ
- リモート会議に置き換えて移動そのものを減らす
飛行機よりも新幹線の方が比較的安くなるためスケジュールに支障がない範囲で推奨することで経費削減になります。加えて早めに出張手配をすることで、交通や宿泊が安く手配できるため、出張が決まったら早めに手配するよう心がけましょう。
利用頻度の高い交通機関や宿泊施設がある場合は、法人契約を結べるか検討します。法人専用料金が使えるようになりコスト削減できるでしょう。また、リモート会議を有効活用して個々の社員の出張機会を極力減らす方法も効果があります。
いずれの経費削減アイデアも検討・実行するためには、出張費・交通費を適切に把握し、効率的に管理することが重要です。そのため、合わせて管理方法の見直しやシステム導入を行うと、よりスムーズに費用を削減できるでしょう。
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経費削減アイデア⑨:ポイント・クーポンの活用
積極的なクーポンの利用やポイントの活用で、備品購入を割引価格に
9つ目の経費削減アイデアは、ポイントやクーポンの活用です。備品購入や接待交際費用などの支払いでは、クーポンを利用したりポイントの貯まりやすい支払い方法を選んだりなどを心がけましょう。法人カードを利用すればポイントが貯まりやすくなり、次回以降の支払いに充てられます。
クーポンを利用した場合は、ショップによっては10%以上の大幅な割引価格で購入できることもあるため、商品を比較する際にはクーポンの有無も確かめるといった細かいことから始めてみましょう。
たとえば高速道路は割引制度のあるETCを利用したり、飛行機ではマイレージを貯めて次回に活かしたりなども、効果的な経費削減アイデアの一つです。
経費削減アイデア⑩:経費精算システムの導入
経費削減のみでなく業務効率化にもつながるメリットの多いアイデア
10こ目の経費削減アイデアは、経費精算システムの導入です。経費精算システムとは、経費の申請作業や承認作業をシステム上で完結させることを指します。経費精算システムを利用しない場合は申請書の作成から承認、払い戻しなどの作業がすべて手作業になってしまいますが、経費精算システムを導入することでこれらの作業がすべてシステム上で完結し、業務効率の大幅な向上が期待できます。
結果的に人件費や残業代の削減となり、効果的な経費削減となるでしょう。
経費削減アイデア⑪:業務のアウトソーシング
専門性のない業務は業務委託に任せて、優秀な人材を適切な部署へ
11こ目の経費削減アイデアは、業務のアウトソーシングです。すべての業務を社内でおこなっている場合は、一度アウトソーシングできる業務がないか見直してみることもおすすめです。専門性のない業務は業務委託で外部に任せて、限られた人員を適切な部署に配置するという方法は、経費削減として非常に効果的です。
専門性の高い業務でも、人材育成に時間とコストをかけるなら外部に依頼したほうがよい場合もあるため、どの業務がアウトソーシング可能か一度考えてみてください。
一方で、すでに業務をアウトソーシングをしている場合、業務委託費が高額になっている可能性もあります。しかし、委託先への支払いを下げると人員が集まらず結果的にサービスの品質低下につながるリスクもあるため、簡単に値下げすることはできません。そのため、これまでに委託していた業務の中で自社の従業員ができることがないか探してみることも経費削減につながるでしょう。
経費削減アイデア⑫:税理士に節税依頼
節税も経費削減には重要なポイント!プロに相談することで徹底的に税金を抑えられる
12こ目の経費削減アイデアは、税理士に節税依頼を出すことです。これまでのアイデアを用いて経費削減も可能ですが、税金のプロである税理士に相談することで大幅な節税が期待できます。定期的に相談することで、コスト意識も上がり、常に節税している状態を保てます。節税できた部分は純利益となり、結果的に大幅な売上アップにつながります。
やってはいけない経費削減もある
会社の経営を安定させるためにも経費削減は重要ですが、やってはいけない経費削減というものもあります。以下の点に注意して進めると良いでしょう。
- 人員削減、賃金カットは安易に行わない
- 社員教育、研究開発の経費削減をしない
- 短期で経費削減の成果を求めない
人員削減、賃金カットは安易に行わない
人件費は経費として大きな割合を占めますので、人員削減や賃金カットによって、大きな経費削減効果を期待できますが、安易に人員削減を行うと社員一人あたりの仕事量が増加し、長時間労働となる恐れがあります。
また、賃金カットや人員削減による長時間労働などによって、社員のモチベーションが下がり退職してしまう可能性もあるため、まずはワークフローを見直し生産性を高めることに取り組みましょう。そのうえで、余剰人員となる場合だけ実施を検討すると良いでしょう。
社員教育、研究開発の経費は削減しない
研究開発や社員教育は、質の高い商品やサービス提供に欠かせない要素です。これらの経費を削減してしまうと、企業の競争力や事業の成長が阻害され将来の利益を減らすことにつながります。むやみに削減するのではなく、研修内容を見直し効果の高い方法に変更するなどして、費用削減できるか模索すると良いでしょう。
短期での成果を求めない
すぐにでも取り組むことができる経費削減アイデアもたくさんありますが、すべてのことを短期間で変えようとすると反発や生産性の低下を招いてしまいます。経費削減策を実施するにも人手や評価する時間も必要なため、状況を確認しながら優先順位を決めて実施しましょう。
経費削減を進めるポイント

経費削減を進めるにあたっては、単に削減項目と目標を指定するだけでは十分ではありません。ここでは、経費削減を進めるポイントについて紹介します。
- インパクトのある数字から対策する
- 経費削減に対する従業員の意識を向上させる
- システムの導入で効率化を図る
①インパクトのある数字から対策する
経費削減を進める場合は、大きな成果につなげるように意識することが重要です。経費削減には、地道な努力も欠かせないもの。実行する各従業員のモチベーションを維持できるようにすることも考える必要があります。そのためには、経費削減の活動が、大きな経営成果に結びつき、目に見えて利益が増加することを示す目標を設定することも重要です。
大きなコスト削減を実現するためには、インパクトがある費用項目にメスを入れることが必要になるでしょう。全体のコスト削減目標が大きければ、少額のコスト削減項目がおろそかにならず、確実に削減が進むことにつながります。
まずは削減しやすい経費から対策
また、削減しやすい経費から対策することも有効です。コスト削減にあたって多大な努力が必要になる場合はなかなか成果が上がらず、取り組みを行っている人のモチベーションが下がってしまうおそれがあります。削減しやすい費用項目から取り組みを行えば、短期間に成果が上がり効果を実感できるようになるため、モチベーションを維持しやすくなることがメリットです。
②経費削減に対する従業員の意識を向上させる
経費削減を進めるにあたっては、実際に削減の取り組みを行う従業員の意識を向上させることも大切です。モチベーションを維持しながら経費削減を進めるためには、3つのポイントに注意するとよいでしょう。
ポイント1:社員のやる気を起こさせる仕組みづくりを
インセンティブ制度を導入し、社員のモチベーション維持向上を
1つ目のポイントは、経費削減のモチベーション維持向上につながるような仕組みを作ることです。具体的には、経費削減が成功した場合に従業員にメリットがあるインセンティブ制度の創設などが挙げられます。インセンティブ制度とは、ある目標を達成した場合に、経済的・精神的な報酬を受け取ることができる制度のことです。経費削減のモチベーションを維持するためには、経済的・精神的両面でインセンティブが得られる制度を検討することも大切になります。
目標を達成した社員や部署を表彰、ボーナス支給や昇給も◎
精神的な面においても、報酬がモチベーションの維持・向上に役立つ場合があります。たとえば、目標の達成度に応じて表彰するなどの方法が有効です。従業員にとっては、経済的な報酬を得ることもさることながら、会社への貢献を認めてくれることもモチベーションを高めることにつながります。ボーナスの支給や昇給に連動させるインセンティブ制度は、コスト削減効果の一部を従業員に直接還元する方法です。しかし、この方法をとる余裕がないという会社もあるでしょう。そういった場合は、目標を達成した従業員や部署を表彰する制度を創設するという選択肢もあります。
ポイント2:企業規模や現状に適した進め方で
2つ目のポイントは、企業規模や会社の現状に適した形で経費削減を進めることです。たとえば、経営状況が思わしくなく、早急に経費削減に取り組む必要がある場合、中小企業であれば社長が直接指揮する全社プロジェクトという位置づけにして、全従業員に危機感を持ってもらう方法も有効になります。また、企業規模が大きい場合は、全従業員一丸となって取り組む状況を作ることが困難な場合もあります。そういった場合は、工場営業や研究部門、営業部門など、組織単位での目標設定を行い、各組織長を旗振り役にするというやり方が有効です。経費削減を進める場合は、自社の規模や状況に合わせた形で、誰を旗印にするのかを的確に選択することも欠かせないと言えるでしょう。
ポイント3:数値の見える化で、モチベーションの維持を
3つ目のポイントは、数値の見える化を行うことで、モチベーションの維持・向上を図ることです。取り組むべき対象を決めて目標を設定しても、取り組みの成果が把握しにくいようでは、やる気が失われてしまう可能性があります。取り組み中の進捗状況がわからない状態で結果だけが示されるようでは、取り組み中の本気度が下がってしまうでしょう。そういった事態を避けるためには、経費削減の取り組み中も含めて、進捗状況を見える化をすることが欠かせません。必要があればシステム改修や導入、ツールの活用なども行って、削減数値の見える化を行うようにしましょう。
③システムの導入で効率化を図る
確実に経費削減の効果を得るためには、必要なシステムを導入することも検討する必要があります。システム導入にはいくつかの切り口があり、削減効果の見える化はその1つです。また、業務を体系的に管理することで、業務効率化も進めやすくなり手間の削減に繋がります。 経費削減を行うためにシステムを導入するという切り口もあります。
名刺管理ツール の導入でキーマンとのアポイントを確実に
各従業員が受け取った名刺をシステムによって一括管理できれば、顧客との関係などを一括管理できるようになります。そうすることによって、誰が取引先と会うのが一番効率的なのかを事前に把握することが可能です。そういった情報をもとに出張の人選を行うことができれば、無駄な出張費を抑えることにつながります。また、商談が成立する可能性を高め売上アップにつながる事例も期待できるため、一石二鳥だと言えるでしょう。さらに、各人が名刺を管理する業務の削減にもつながります。
経費管理システムで業務効率化を
経費管理システムの導入も、有効な方法です。たとえば、現場で経費を使う従業員が直接入力できるシステムを導入すれば、リアルタイムで支出を把握できるようになり、費用管理が簡単にできるようになります。また、リアルタイムで経営数値が把握できるようになれば、経費削減の進捗状況を随時共有できるようになるため、経費削減のモチベーション向上にもつながるでしょう。さらに、経費精算システムを導入すれば、数値の見える化と経費精算・精算書作成業務や仕訳業務の効率化を同時に実現できるため、経費削減のスピードが上がることも期待できます。
出張管理システムの導入で出張の効率化を
無駄な出張費を的確に削減するためには、適切な管理が欠かせません。出張費用実績を確実に把握することはもちろん、出張の費用対効果の測定も必要になるでしょう。効率的に行うには、出張管理をしやすくすることが重要です。出張を効果的に管理する出張管理システムの導入は、1つの解決策です。出張管理システムでは、「だれが、いつ、どんな」出張手配をしたか管理者は把握できるため、出張者は管理されているという意識が生まれ、経費削減意識の向上につながります。
コスト削減を進めるためには、削減の具体的な取り組み項目の明示と目標の周知徹底だけでは十分ではありません。社内全体で、どんな経費でも使い方を見直して削減するという意識の共有が重要だということを認識しておきましょう。
経費削減への近道!出張管理システムのメリットとは?
出張数の多い会社にとって、出張にかかる経費を削減することは、経費削減に大きくつながります。出張にかかる経費を削減するには、コスト管理・出張管理の両方の観点での対策が必要になります。先に述べた12の削減案の中の「人件費の費用対効果を高める」と「出張費・交通費の見直し」の最も削減コストの大きい2つが、出張管理システムを利用することによって叶います。
出張手続きの簡素化、一括支払いで、社員の手間を削減できる
出張する社員が個々に宿泊先や移動手段を予約する手間、経費精算の手間をなくすことで、本来の業務に集中してもらうことができます。かかった出張経費を会社が一括で支払うことになるため、経理担当社員の業務も軽減できます。
宿泊費のムダを省いて経費削減に
例えば、無駄なコストとして多いのが宿泊費です。無駄なコストが発生する要因としては、出張者がホテル手配をする際に、ポイントや金券付きプランを選ぶ場合があります。当然ながら宿泊費には、その分のコストが追加されていますので、会社としてはムダなコストが増えてしまいます。しかし、ホテルが発行する領収書にはプラン名まで出ていませんので、経費精算の時点で会社として把握ができない状況なのです。出張管理システムには、金券付きプランを制御する機能がありますので、余分なコストを抑止して経費削減になるでしょう。
出張データを一元管理。経費を可視化し、削減の道へ
出張管理システムを利用すると、社員ごと、部署ごとに出張先、回数、費用などが一覧で確認できるため、適正に経費利用がされているかを把握できます。どういった経路で出張をしたかや、出張の何日前に手配したのかなど出張データを分析することで、効果的な出張経費削減プランを導き出すことができます。また、PDCAサイクルを回すことで継続的に経費削減を推進できるメリットもあります。
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経費削減は大きな経費、小さな経費の双方向から取り組むことが重要
経費削減は、避けて通れない重要な経営課題の1つです。確実に経費削減を行うためには、最初の段階で的確に削減対象となる費用を選別することが欠かせません。その際には、削減しやすく大きな効果が見込める費用項目を選ぶようにしましょう。また、費用削減の効果をより確実にするためには、目標金額や達成時期の目標設定も大切です。従業員のモチベーションを維持しながら経費削減を進めましょう。
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この記事を書いた人

ナナイ【行政書士・FPライター】
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行政書士・FPの資格を保有。WEBライティング歴8年のライターです。
その知識を活かしてビジネスや相続、不動産などのジャンルを得意分野としており、多岐ジャンルのコラムを執筆しております。
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出張手配専門旅行会社の株式会社エルク(エルクトラベル)のメディア編集部。
これまで2,100社以上の出張関連業務の効率化を支援してきた実績を活かし、出張者はもとより出張に関わる経理や総務などのバックオフィス部門にも役立つビジネス情報を発信しています。