日当の相場はどのくらい?気になる出張手当と経費削減のポイント

企業が事業を拡大するにつれて、従業員が出張をする機会も増える場合があります。そうした場合には、出張に際する宿泊費などの上限金額の設定や、日当のあり・なしの設定などを取り決めた出張旅費規程を作成する必要性がでてきます。とくに金額の設定や手当をつけるか・つけないかは相場や一般的な傾向を知って決めたいものですよね。
そこで今回は、日当(出張手当)に関する基礎知識と設定のポイントをご紹介します。
本記事の内容:出張手当に関する基礎知識と相場・設定のポイントについて解説
▼出張費全体の相場についてはこちら▼
出張費の相場は?経費削減と成果につながる旅費の金額とは
目次
日当とは?
日当とは、社員や役員が業務上の目的を持って出張をする際に一律で支払われる食事代や諸費用・慰労に対する手当のことで、「出張手当」や「出張日当」、「旅費日当」などとも呼ばれます。
多くの会社で出張はみなし勤務となり残業代がつきませんが、出張業務は移動や会食などで一日の拘束時間も長くなることが多く、日常業務と比較しても従業員の負担は大きくなります。出張時には、食事代や土産代などこまごまとした支出が発生しますが、その費用は経費として認められないものがほとんどです。そこで、日当として一律に支給することで精神的負担への慰労や経済的負担を減らすのが主な目的です。
また、出張者が細々とした経費をすべて後日精算に回すと、経理などの仕事も増えてしまいます。業務上の効率が極めて悪くなることから、会社は一定の金額を日当(出張手当)として支払い、業務の効率化を目指しているのです。
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日当の支給義務は?
出張手当は法的に義務付けられているものではなく、企業が独自に定めているものなので、企業によって支給する・しないや支給額が異なります。
出張手当の支給額は、社長や課長クラスなど役職ごとの違いや宿泊日数の長さによって会社が定めた出張旅費規程に基づき支給するのが一般的です。また、日当は出張旅費規程が整備されていることを条件として経費計上することができます。
出張旅費規程がない場合は経費ではなく給与扱いとなってしまうため注意しましょう。
出張手当と出張費用の違いは?
出張手当と出張費用を混同させてしまう人もみられますが、この2つは全く別のものです。
出張手当には出張時の交通費や宿泊費といった旅費は含まれていません。また、出張時の交通費や宿泊費は出張旅費規程に決められた分が後日精算されるのが一般的で、出張者があらかじめ支払った分の領収書をもとに支払われます。
一方の出張手当は会社で規定された金額が日当で支払われるスタイルです。出張手当は一定の金額を渡し切る形ですので社員に領収書の提出を求める必要がありません。さらに、出張手当は従業員への支払ではあるものの、所得税の対象外となります。したがって、出張手当を受け取っても、社員はその分の所得税を納める必要がなく、所得税が節税できるのも魅力でしょう。
支給される日当(出張手当)の相場は?
日当(出張手当)の相場は、会社から出張先までの距離によって異なることが多いでしょう。そのため、海外などの遠方への出張の際には多くの出張手当が支払われています。
また、距離だけでなく、出張の期間が長期であった場合にも、たくさん支給されるのが一般的です。さらに、社長や役員などの役職が高い人には多くの日当が支払われています。
ここからは、日当の相場について解説していきます。
国内出張の場合
国内出張の日当(出張手当)の相場は、日帰り出張の場合で2,100円程度が日当の相場です。課長クラスの日帰り国内出張では、2,500円程度が日当の相場でしょう。同じ条件で部長クラスになると日当相場として、2,700円程度が支給されています。
宿泊がある国内出張の手当の相場は、日当で2,400円程度です。2泊するケースでは3日分が支給されますので手当が高額になります。
宿泊出張でも役職によって相場が異なり、課長クラスで日当2,700円程度、部長クラスになると日当2,900円程度が相場です。
国内出張の出張手当(日当)相場(役職毎一覧)
横スクロールでご覧いただけます。
役職クラス | 日帰り出張 | 宿泊出張 |
---|---|---|
社長 | 4,500円程度 | 4,600円程度 |
専務クラス | 3,800円程度 | 4,000円程度 |
常務クラス | 3,700円程度 | 4,000円程度 |
取締役クラス | 3,600円程度 | 3,800円程度 |
部長クラス | 2,700円程度 | 2,900円程度 |
課長クラス | 2,500円程度 | 2,700円程度 |
係長クラス | 2,200円程度 | 2,500円程度 |
一般社員 | 2,100円程度 | 2,400円程度 |
海外出張の場合
海外の日当(出張手当)の相場は、国内と比較しても高くなる傾向があります。また、海外の場合には渡航先によっても日当の相場が変わるでしょう。
例えば中国へ出張の場合には、一般社員で4,500円程度が日当相場です。部長クラスであれば日当5,200円程度が相場として考えられています。
アメリカやカナダなどの北米への出張では、距離や物価の高さから、一般社員で4,900円程度が日当の相場でしょう。部長クラスになると日当5,600円程度が相場として支給されています。
海外出張の出張手当(日当)相場(役職毎一覧)
横スクロールでご覧いただけます。
役職クラス | 北米地域 | 中国地域 | 東南アジア地域 |
---|---|---|---|
役員クラス | 6,900円程度 | 6,400円程度 | 6,500円程度 |
部長クラス | 5,600円程度 | 5,200円程度 | 5,200円程度 |
課長クラス | 5,300円程度 | 4,900円程度 | 4,950円程度 |
係長クラス | 4,950円程度 | 4,550円程度 | 4,600円程度 |
一般社員 | 4,900円程度 | 4,500円程度 | 4,550円程度 |
<出張費の相場に関してはこちら>
出張費の相場は?経費削減と成果につながる旅費の金額とは
日当を支給するメリット・デメリット

出張先までの距離や宿泊の有無、出張者の役職によって相場のことなる出張手当ですが、出張手当が出ない会社もあるでしょう。
しかし、会社は出張者に出張手当を出すメリットがあるのです。
ここからは、相場に基づいて出張手当を支給するメリットやデメリットについて紹介しましょう。
メリット1:会社・従業員どちらも節税になる
企業として出張手当を支給することの最大のメリットは、節税効果があることです。
出張旅費規程の整備後に出張手当を支給すると、通常の経費と同じように損金算入することができるため法人税や消費税などの節税つながります。これは、出張手当は会社の業務命令で行った出張に対する実費弁償であるという考え方があるからです。会社が払うはずの経費を従業員が立て替えて支払ったお金であり、その費用に課税するのは法律上適さないと判断されます。 そのため、法人税の節税につながります。
なぜなら、出張旅費規程で定められた出張手当は通常の給与としては扱われず、非課税所得となるのです。
そのため、法人税がかかることなく社員へと資金が動かせるようになり節税効果が期待できるでしょう。
出張旅費規定が作成されていない場合には、出張手当の日当が給与として扱われてしまい、損金算入がされない課税所得となってしまいます。
出張が多い会社の場合には、支払う税金が高くなりますので、大企業や中小企業といった会社の規模にかかわらず、出張旅費規程を作成して出張手当を支給するのがおすすめです。
メリット2:事務処理が簡単に!
出張手当を支給している場合には、出張者が出張先で支払った細々とした領収書に対する後日精算が必要ありません。
たくさんの領収書を確認して集計する手間が削減でき、領収書の管理も少なくなるため、出張者・総務部門の仕事が効率化します。
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デメリット1:無駄なコストが増加する場合も
出張手当のデメリットは、出張手当を支給する分のコストが増える事です。支給する意義やメリットと照らし合わせて出張手当の支給額が妥当な金額でない場合、無駄なコストとなってしまいます。
出張手当は従業員全員が支給の対象となりますので、今まで支給していなかった企業は新しく出張手当を導入する場合は、どの程度支出が増えるかを事前に試算しておくことが大切です。
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相場がポイント?出張手当(日当)の設定方法
出張手当には相場がありますが、その価格は法律では定められておらず、会社が独自の判断で設定できます。
ただし、出張手当の設定によっては、支払金額が増えすぎてしまうことがあるでしょう。
また、出張手当が少なすぎても社員のパフォーマンスが下がってしまいます。
したがって、出張手当の設定は非常に重要だといえるでしょう。
ここからは、出張手当の設定方法を紹介します。
妥当な金額であるか
出張手当は一般的な社員と比較すると課長や部長といった役職の高い人に多く支払われています。
しかし、役職の高い人というのは会社の中でも一握りのため、一般の社員にとって妥当な金額であるかを考えて設定するのが良いでしょう。
日帰りの場合の出張手当の相場を例に挙げると、一般社員と部長クラスでは600円程度の差額があります。
出張手当は、日常の業務では負担することがない支出をカバーするための費用ですので、妥当な金額であるかをしっかりと考慮して設定することが大切です。
同業者や同規模の会社の出張手当と比較して考える
出張手当の額は、同業他社と大きな差がないように設定するのもポイントでしょう。
建設業の場合は競合他社の建設業と、販売業であれば競合他社の販売業の出張手当を参考に同等の手当てを支給するように心がけます。
ただし、同業種であっても大手と中小企業など、規模が異なる会社同士を比較しても参考にはならないでしょう。
あくまでの売上の規模や収益構造が似通った会社を選ぶ必要があります。
出張費は会社の経費!抑えるコツは?
ここまで出張手当について説明してきましたが、出張手当と併せて出張費も会社の経費として計上します。
そのため、出張費を使いすぎると会社の経営が苦しくなってしまうこともあるでしょう。
したがって、出張費の節約に努め会社の経費を少しでも減らす努力が必要です。
ここからは、出張費を少しでも抑えるコツを紹介しましょう。
交通費を抑える
出張にかかる経費をおさえるためには、交通費の削減がポイントです。
新幹線の場合にはグリーン車から普通車に切り替えるなどの工夫で、交通費にかかる経費が削減できます。
また、空いている時間帯であれば指定席から自由席へと切り替えるのも1つの方法でしょう。
日帰りを推奨して宿泊代をカット
国内の出張であれば、日帰りを推奨するのも良いでしょう。
日帰りが可能になるスケジュールをセッティングすると宿泊代のカットが可能ですし、出張手当も削減できます。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、2018年や2019年と比較すると宿泊を避ける傾向が強まっています。
宿泊代が減らせると、出張費となる軽費が大幅に削減できますので、経営の効率化につながるでしょう。
出張手配サービスの変更
出張手配は非常に手間がかかる作業のため、出張手配サービスを利用する会社も多いでしょう。
しかし、いくつかの出張手配サービスは月額利用料などが必要ですので、結果的に経費がかかりすぎてしまうことがあります。
また、海外出張の場合には、飛行機の発券手数料が高くなるケースもめずらしくありません。
どれだけ簡単な出張手配が可能であっても、経費がかさむと会社の経営に影響するでしょう。
そのため、少しでも安く利用できる出張手配サービスへの変更をおすすめします。
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出張費用を抑えた手配サービスならエルクトラベル
出張にかかる経費を大幅に削減できる出張手配サービスとして知られているのがエルクトラベルです。
エルクトラベルを選ぶとたくさんのメリットがありますので、ここからは、エルクトラベルによって得られるメリットを紹介しましょう。
月額利用料ゼロで経費削減に貢献
エルクトラベルではサービスの利用にかかる費用を0円に設定しています。
導入時の費用だけでなく月額の料金も無料ですので、経費の削減につながるでしょう。
月額利用料がかからないことで、年間の出張回数が少ない会社も利用しやすく気軽に申込めるのも魅力です。
安くて便利な交通手段が充実
エルクトラベルには他の出張手配サービスでは経験できないサービスが充実しています。
例を挙げると、JR線のチケットの無料デリバリーサービスがあるでしょう。
予約したJR線のチケットを会社まで届けてくれますので、取りに行く手間が省けます。
送料もかからないことから経費のカットもできるでしょう。
また、国内の航空券では、変更可能な割引運賃が選択できます。
業務内容によって急に予定変更があるケースはめずらしくないでしょう。
そのようなときでも、変更が可能なチケットであれば安心だといえます。
楽天トラベル・じゃらんとの提携で宿泊施設が豊富
国内で宿泊施設を探す際にも、エルクトラベルは便利です。
楽天トラベル・じゃらんと提携していることから、さまざまな種類の宿泊施設が簡単に見つかると高く評価されています。
また、楽天トラベル・じゃらんに好みの宿泊施設が見つからなかったときでも、自社のネットワークからの手配が可能です。
宿泊先を見つけるのには土地勘も必要ですが、宿泊する地域に詳しい専門スタッフのアドバイスの受けられますので、便利な立地の宿泊施設が見つかるでしょう。
さらに、長期の出張の場合には、ウィークリーマンションなど長期で宿泊できる施設が探せます。
そのため、経費をおさえた滞在が可能です。
海外出張も問題なし
エルクトラベルは国内の出張だけでなく海外の出張にも対応しています。
海外の航空券の場合には、発券手数料を料金連動型に設定している出張手配サービスが多いでしょう。
この場合には、北米やヨーロッパなどの遠方への出張時に経費がかかりすぎることがあります。
その点、エルクトラベルでは、飛行機の発券手数料を一律にしていることから、手数料としてたくさんのお金を払う必要がありません。
また、現地に詳しいスタッフへの相談も可能で、出張先にアクセスの良い宿泊施設の検索も可能でしょう。
社長が同行する際でもランクの高い宿泊施設などのリクエストが可能で、海外でも満足のいく宿泊ができます。
さらに、空港から宿泊施設への送迎なども依頼できますので、安心した海外出張が楽しめるでしょう。
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相場を知って出張経費の削減を
出張手当は相場をしっかり知ることで、支給しすぎることを防げます。
また、出張手当の役割をしっかりと理解しておくと、節税なども可能でしょう。
ただし、出張手当だけでなく出張費用もしっかりと考えなければなりません、そこで、出張手配が任せられるエルクトラベルを利用するのをおすすめします。
エルクトラベルであれば会社の経費を削減しながら、満足のいく出張手配が可能です。
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この記事を書いた人

エルクトラベル編集部
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出張手配専門旅行会社の株式会社エルク(エルクトラベル)のメディア編集部。
これまで1,600社以上の出張関連業務の効率化を支援してきた実績を活かし、出張者はもとより出張に関わる経理や総務などのバックオフィス部門にも役立つビジネス情報を発信しています。メディア運営会社:https://www.tehaiplus.com/company/outline/