手当とは?会社支給の手当の種類と在り方について解説

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会社支給の手当の種類は?そのルールと効果を解説

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会社支給の手当の種類は?そのルールと効果を解説

会社から支給される手当には、残業手当、通勤手当、住宅手当など複数ありますが、実は「法律上、支給しなければならない手当」「会社が任意で決める手当」の大きく2種類に分けられます。

給与や賞与と同様に「手当」にも労働者の注目が集まります。しかし、手当の支給は、会社にとって利益を左右するものでもあります。時代に即しながら、職場環境に合った手当の在り方について考えてみましょう。総務の基礎知識である手当の概要、その種類などについて詳しく解説します。

 

本記事の内容:会社から支給される手当について、「法律上、支給しなければならない手当」「会社が任意で決める手当」に分けて解説

 

手当とは?そのルールと役割

まずは会社が支給する手当の概要や本来の目的について、改めて確認してみましょう。

 

法律上の手当と会社任意の手当がある

手当とは基本給以外に支払われる賃金のことです。

手当には、残業手当・深夜残業手当・休日出勤手当などの「法律上、支給しなければならない手当」と、通勤手当や出張手当、住宅手当などの「会社が任意で決める手当」の大きく2種類に分けられます。

残業手当や休日出勤手当は、法的な観点から該当者に支給する義務があるため、支給を怠ると労働基準法による罰則が適用されます。一方、会社が任意で決める手当は、会社によって、手当の種類や対象、手当金算定のルールなどが異なります

 

給与との関係は?

手当は、基本給とは別に支払われるものです。しかし、残業手当や休日出勤手当のほか、条件に応じて支払われる職務・役職手当や、住宅ローンや家賃負担の低減といった名目で支払われる住宅手当などは、給与の一部と見なされて課税対象となります。

 

非課税となる手当

ただし、例外として、以下の3つの条件においては非課税となるため注意が必要です。

 

通勤手当のうち一定金額以下のもの

支給される通勤手当のうち、非課税となる限度額が定められています。具体的には、公共交通機関を利用した通勤用定期券の利用を例にとると、1カ月当たりの運賃額が150,000円までが非課税。マイカーや自転車での通勤者も、その距離に応じて限度額が定められています。

 

転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められるもの

出張や転勤で利用した旅費は、非課税扱いになります。同様に宿泊費や日当についても、その移動や宿泊、現地での活動(市内交通の利用など)に通常必要とされると認められるものは非課税に、そのほか、海外への出張旅費、宿泊費、日当も原則として非課税です。

 

宿直や日直の手当のうち一定金額以下のもの

使用者の命令などで巡視や電話の受付、非常事態に備えた待機など、労働基準法の適用外となる著しく軽度な労働にかかる宿直料など。

 

手当の役割・会社組織としての目的と注意点

残業手当は労働の対価として当然のものですが、会社が任意で規定する手当は従業員の家族状況や職位、仕事内容といった条件によって支給されます。その目的や支給のメリットは次のとおりです。

 

社員間での差を排除、あるいは縮小するための手当

例)通勤手当の支給によって遠方から通勤する社員の金銭的な負担差を軽減する。

 

給与テーブルのほかに加える調整金としての手当

例)職務別手当・役職手当など、仕事内容や立場によって求められる責任や技術、能力に対して支払われる。

 

啓蒙やモチベーションの向上を目指すための手当

例)資格手当、研修手当など。

会社が独自で規定する手当の多くは、従業員のやる気やスキルの向上をうながすものであり、従業員満足につながります。しかし、こうした手当の支給はコスト面で見ると会社の負担も大きく、近年は時代に合わせて業績との関連性の強い内容に見直される傾向にあります。

 

 

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法律上、支給すべき手当:必ず支払わなければならない手当とは

会社規定の手当はある程度の自由裁量が可能ですが、法律上の支払い義務がある手当については、法に抵触しないよう注意を払う必要があります。さらに詳しく確認しておきましょう。

 

■ 時間外手当/残業手当

労働基準法で定められた労働時間(1日8時間まで、1週間で40時間まで(休憩時間は除く)を超えて勤務すると「時間外労働」に当たり、残業手当が発生します。また、こうした時間外労働を実施するには、労使間で「時間外労働・休日労働に関する労使協定(36協定)」を締結し、労働基準監督署に提出する義務があります。締結せずに法定労務時間を超えて残業させた場合、罰金などの適用対象となります。また、36協定を締結した社員が月60時間を超える時間外労働を行った場合、2019年4月1日より支払い割増率25%以上から50%以上に引き上げられました(中小企業は2023年4月1日からの施行)。1カ月の起算日は賃金計算期間の初日等で設定し、計算します。

 

■深夜労働手当

午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要と認めた地域や期間によっては午後11時から午前6時)における労働では、基礎賃金の25%増し以上の支払いが生じます。深夜労働で、かつ上述した36協定による時間外労働の場合、深夜割増の25%以上に加えて、時間外割増50%以上が生じ、75%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

 

■休日出勤手当

労働基準法では週1回以上、または4週間に4回以上の法定休日が定められています。休日にあたる日に労働した場合、休日労働として基礎賃金の35%増しの割増賃金を支払う必要があります。休日の深夜勤務では、休日割増35%以上に加えて、深夜割増25%以上を合算した支給額となります。

 

残業手当など法律上の手当の扱いに関する注意点

残業手当は基本給に加算されて支払われるのが一般的です。もし、残業手当分を後で賞与から差し引く、あるいは後払いにして賞与に加えて支払うといった手続きは、正当な支払いとは認められません。給与と賞与は異なるものであることを理解しておきましょう。

また役職手当の支給に該当する管理職に対しても、基本的に残業手当を支払います。

ただし、同じ管理職であっても「管理監督者」の場合、残業手当の支払いは不要です。管理監督者の条件は「重要な職務と権限がある」「労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない立場であること」「賃金等でその地位に相応しい待遇にある」などです。ただし、「管理監督者」の管理者であっても、午後10時から翌朝5時までの労働には深夜勤務手当の支払いが必要です。

そのほか、営業手当や職務手当など、固定残業手当を含んだ支給を行う場合には、「月間20時間分の時間外手当を含む」など、条件を明記しておく必要があります。「固定残業手当」の相当時間を超えれば、それに応じた残業手当を支給しなければなりません。

 

会社が任意で支給する手当とは?

続いて、会社が任意で支給する手当について、その種類や将来性について確認しましょう。

 

会社が任意で支給する手当の種類

主に次のような手当が一般的です。

 

役職手当/職務手当/職能手当

管理職としての職務に対して支給するもの。
また、該当する仕事で求める技術や責任の対価として支給される職務手当、職能手当など。

扶養手当/家族手当

配偶者や子供、両親など、扶養する対象が多いほど支出も多くなるため、その状況に合わせて支給されるもの。

住宅手当

ローンや家賃の負担に配慮して支給するもの。地域によって異なる家賃相場に合わせた支給を行うケースが多い。

通勤手当

勤務地までの公共交通費や自家用車のガソリン代などを対象とし、支給するもの。

出張手当

出張時にかかる食事など、日常業務とは異なる雑費の持ち出しが増えることに配慮し支給するもの。

皆勤手当・精勤手当

無遅刻や無欠勤などに対して褒章として支給するもの。

資格手当/研修手当

資格の所得や外部の勉強会への出席などに対して支給するもの。

 

実情に合った手当に見直す会社も

住宅手当や扶養手当/家族手当は、その負担の有無と業務実績での関係性が認められないという声もあり、見直す会社もあります。会社の近くに住むことで通勤コストが下がるという理由から「近距離手当」を支給し、家賃の補助にするような考え方もあります。そのほか、やる気の奨励として実務に関わりのない場合でも支給されていた資格手当を見直し、ビジネスに直接活かせるものなどに限定される傾向も見られます。いずれにせよ、手当として、一律に同じような名称で同じような目的のものが支給される時代は終わり、より実情に合ったものに変わりつつあります。

 

同一労働・同一賃金における手当の見直し

働き方改革に伴い、注目したいのが「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」(同一労働同一賃金ガイドライン)です。

同じ業務、同等の仕事量の正規社員と非正規社員で、勤務状況に差がない場合、同じような賃金を支払うという指針です。これまで正規社員のみにしか支払わなかった「精皆勤手当」制度があれば、非正規社員にも支払うようにしなければなりません。そうした観点からの手当支給の見直しも必要でしょう。

このガイドラインは大企業では2020年4月から、中小企業ではその翌年となる2021年4月から適用されました。基本給や賞与、各種手当など「賃金」に関することだけでなく、「教育訓練」や「福利厚生」も対象になります。

ただし、ガイドラインの適用により、会社既定の手当を減らすといった対応を行うと、会社全体の士気の低下に関わります。労使双方にメリットがある手当について、前向きに考え直してみましょう。

 

将来性を考えた手当の在り方とは

労使双方が納得できる手当を考えながら、独自の手当を設定する会社も増えています。例えば、働くうえで欠かせない健康維持のための「禁煙手当」や、通勤コストの削減効果に加え、エネルギーや地球環境へのCSR対応を意識した「自転車通勤手当」、子育て中の主婦でも安心して働けるような「ベビーシッター費用の一部会社負担」などを手当として支給する会社があります。

会社により就業者の状況は異なり、また、社内のさまざまな職種、就労場所や勤務時間に応じて条件が異なります。仕事と従業員の実情にあった手当が、今後ますます求められています。

 

手当も時代の変化に合わせた見直しを

時代とともに会社のビジネス環境は変わり、働く人たちの役割や就業場所と時間、労働スタイルも変化しています。テレワークなどを代表として「皆勤手当」という概念に合わない働き方が今後ますます増える可能性があります。

また、システム面においても新しい働き方ができるサービスがあります。例えばBTMと呼ばれる出張管理サービスは、出張手配から精算までの業務を一括で行うことができ、今まで出張者が行っていた出張手当の申請にかかる手間も削減することができます。出張費の把握にも役立つため、出張が多い企業は導入を検討するとよいでしょう。

 

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