出張に伴う宿泊費の上限を設定するポイントを解説

ビジネスでの成果が期待できる出張でも、経費がかさみすぎると大きな負担になります。
宿泊費は節約できますので、上限を設けるなどの工夫が大切でしょう。この記事では、出張における宿泊費の上限を設定するコツを紹介します。
目次
出張時における宿泊費の支給方法
どのように宿泊費を支給するかは会社ごとに異なります。支給の仕方次第で上限にも違いが生じますので、まずは宿泊費の支給方法をみていきましょう。
実費支給
社員があらかじめ立て替え、出張後に会社がその分を精算するのが実費支給です。一定の金額ではなく、実際に支払ったホテル代が精算されますので、従業員は使った分だけ受け取れるのがメリットでしょう。
出張時の宿泊費は、旅費交通費への仕訳で経費として計上できます。したがって、宿泊費をすべて社員に支払っても、企業は節税効果が期待できるのです。
ただし、ビジネス目的の出張にはそぐわないような高級ホテルへの宿泊などの場合には、経費として認められないこともあるでしょう。経費にならない場合には負担だけが重くのしかかりますので、会社側は従業員を管理しなければなりません。
宿泊費に上限を定めたり、ホテルのランクを設定したりする会社も多く、ホテルを予約する前に上司などからの承認を求め、出張管理を徹底する会社もめずらしくないのです。
定額支給
金額にかかわらず、前もって決められた一定の宿泊費を支給するのが定額支給です。規定された金額の上限を超えた分は従業員の負担になりますので、企業は高すぎる宿泊費を請求される心配がありません。
このとき、あらかじめ一泊当たりの宿泊費を定めておくのがポイントでしょう。また、定額を日当や出張手当として支給する企業も多くみられます。出張ではさまざまな雑費がかかることがあるため、出張手当によってその雑費をまかなうことも目的のひとつです。
日当や手当は渡し切りといった特徴もあり、実際のホテル代よりもたくさん受け取った場合には、出張者のポケットマネーが増えるでしょう。
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宿泊費に相場はある?上限はいくら?
2021年度の財務省調査では、出張旅費規程を制定し宿泊費を実費支給している会社のうち、半数以上の会社は上限付きで実費支給を行っています。宿泊費の上限を設定する場合には、相場をしっかりと考えておくのがポイントです。相場よりも少ない場合には、予算内のホテルを探せないといった問題が生じることもめずらしくありません。
上限が高すぎるケースでは、経費として認めてもらえないこともありますので、相場をしっかりと考えて宿泊費の上限を規定しておくことが大切です。
宿泊費の上限は役員と一般職で分けるのも一般的でしょう。部長クラスの宿泊費の相場は10,000円、一般職は9,000円が目安で、これを基準に上限を定めるのがおすすめです。
ただし、首都圏と地方ではホテル代が異なるため、出張先によって宿泊費の上限を規定しておくのも1つの方法だといえます。
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食事代も宿泊費に含んでもOK?
食事代が宿泊費に含まれるかは、宿泊費の支給方法がポイントとなるでしょう。宿泊費を実費精算する場合には、多くの企業で食事代は宿泊費としては認められません。
なぜなら、食事は仕事に関係なく必要なものとして考えられているからです。ホテルのレストランやルームサービスを利用した場合でも、宿泊費としての実費精算ができませんので注意しましょう。
一方、日当として宿泊費を定額で支給している場合には、食事代を含んでも問題はありません。日当は定額支給であり、どこにどれだけ支払ったかを証明する必要がないからです。
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出張旅費規程を制定するメリット
出張費の上限を定めるときや、日当の支給を考えるときに必要となるのが出張旅費規程でしょう。出張旅費規程に宿泊費や交通費、日当などの金額基準を規定しておくと、出張の計画が立てやすくなります。
出張者にとっても会社のルールが規定されていることで、宿泊費の相場がわかりやすくなるのです。また、出張費を会社がコントロールしやすくなりますので、経費削減にもつながります。
そのほか、日当や出張手当を支給する場合には、出張旅費規程にその旨をしっかり規定しておかなければなりません。出張旅費規程への定めなしに日当を支給しても経費にはなりませんので注意しましょう。
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日当(手当)の支給でも領収書の管理は必要?
宿泊費を実費精算するときは、旅行にかかった代金の領収書が必要です。しかし、日当(手当)として定額出支給する場合の領収書の管理はどうすればよいのでしょうか。
日当は出張にかかる宿泊費や交通費、雑費をまとめて支給するものです。渡し切りが基本ですので出張後に領収書を見せてどのくらいの費用がかかったのかを証明・精算する必要がありません。
どのような手配をしたのかも出張者に任せるといったスタイルのため、社員に領収書の管理を求めなくても良いでしょう。しかしながら、社員の出張管理のために領収書の提出を求める会社もあります。
どのくらいの出張費が必要で、金額の上限を制定し直す際のデータとなるとも考えられますので、社員に領収書を管理させるのも1つの方法でしょう。
上限がないことで起こりやすい問題
宿泊費の上限を定めないことには、会社と従業員の間でさまざまな問題が生じやすくなります。社員の行動を管理するためにも、出張費の上限の規定は極めて重要だといえるでしょう。
ここからは、宿泊費の上限を定めていないことで起こりやすい問題を解説します。
宿泊費の不正受給
宿泊費に上限を定めない場合や宿泊費に関する明確な取り決めがないケースでは、社員が自由に宿泊先を決められるでしょう。その結果、経費として認められないような高級ホテルに宿泊する可能性も高くなります。
また、領収書を改ざんして実際に宿泊したホテル代よりも高い金額を会社に請求するケースもあるでしょう。取引先からの招待などで宿泊施設が用意されている場合でも、自分でホテルを手配したと嘘をつき、宿泊費を受給する人もいます。
出張先の近くに実家や友人宅などがあり、そこに宿泊した場合でも会社に宿泊費を請求する可能性もあるのです。宿泊費の上限を設定していない場合や、宿泊費に関する明確な定めがない場合には不正受給が後を絶ちません。
よって、上限を設けて出張管理をしっかりと行う必要があるでしょう。
カラ出張
実際に出張に出かけてないにもかかわらず、出張に行ったと装って宿泊費を不正受給するケースもあります。これをカラ出張と呼びますが、宿泊費に上限を設けずに日当(手当)を支給している場合には起こりやすくなるでしょう。
実際に出張をした場合でも、日帰りであったにもかかわらず宿泊費を請求するケースも目立ちます。このようなカラ出張がおこらないためにも出張旅費規程を制定し宿泊施設等の領収書の提出を求めておくと安心です。
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トラブル防止に役立つ出張管理システム
宿泊費の上限を定めないことには出張者の行動管理が難しくトラブルに発展してしまう可能性が高くなります。
出張費に上限を設定し、領収書の管理を求めるのも1つの方法ですが、出張の手配方法の見直しも高い効果が期待できるでしょう。ここからは、出張管理システムに期待できるメリットを紹介します。
社員の行動管理が簡単に
出張管理システムでは、出張者が予約した出張手配のデータを管理者が簡単に確認できます。
いつ、どのホテルを利用したのかといったデータがすぐに見れることから、有事の際の危機管理に活用できます。また、出張者は常に管理されているという認識も高まりますので、出張時の不正防止にもつながるのです。
国内・海外出張にも対応
国内だけでなく、海外出張にも対応してもらえるのが出張手配サービスを利用するメリットでしょう。
現地の情報に詳しいスタッフによるサポートも受けられますので、外国語に自信がない人でも安心して相談ができます。
海外事業に力を入れている会社には頼もしいサービスであり、多くの企業からも選ばれているシステムだといえます。
月締め一括精算で出張費の不正受給を防止
出張管理システムを通じて手配した交通や宿泊などの費用は、月締めでまとめて一括請求されますので、出張者が個々で立替精算をする必要がありません。
立替精算が廃止されると従業員との金銭のやり取りがなくなりますので、上記で述べたような宿泊費の不正受給やカラ出張などの不正を防止することができます。
上限設定と合わせて出張手配の見直しがおすすめ
出張時の宿泊費に上限を設けておくと、経費の削減につながります。しかし、どれだけ上限を設けても、不正受給やカラ出張は後を絶ちません。そこで、求められるのが社員の行動管理でしょう。
出張時の社員を管理するためには、出張管理システムの導入がおすすめです。出張管理システムであれば、出張費の不正受給が防げ、行動管理の強化につながります。
なかでも、エルクトラベルの出張管理システム「出張手配プラス」を利用すると、出張経費の削減も可能になると評判です。簡単なキーワードを入力するだけで宿泊手配ができるようになりますので、業務効率の向上も期待できるでしょう。
宿泊費がかさむことに悩んでいるのであれば、エルクトラベルで出張手配を見直してみるのもおすすめです。
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この記事を書いた人

エルクトラベル編集部
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出張手配専門旅行会社の株式会社エルク(エルクトラベル)のメディア編集部。
これまで2,300社以上の出張関連業務の効率化を支援してきた実績を活かし、出張者はもとより出張に関わる経理や総務などのバックオフィス部門にも役立つビジネス情報を発信しています。