コスト削減効果が期待できる出張手配サービスとは?できること・できないことを紹介

出張手配とは、出張の承認・出張の手配に伴う事務手続きといった一連の流れを持つ、企業やその他の組織における業務のことです。海外・国内問わず、飛行機・列車などの予約や、旅程管理などの業務が一連のフローとなっています。
しかし、企業の中で、出張手配をすべて行うことは少なくなっています。むしろ、旅行会社など、サービスプロバイダーから、出張手配サービスを受けることが多く見られ、主流になっています。
この記事では、出張手配とは何のことで、誰が行う業務なのか、そして業務効率をよくして、経費を削減するためには、どのような出張手配サービスを選ぶのがよいか、選び方についてお伝えします。
出張手配は秘書の業務?
出張手配は、次のような流れを持つ一連の業務のことです。
ここで前半は、出張者本人がアクションを起こし、後半は秘書やアシスタントといった業務の補助者が旅程に従い、もろもろの手配を行います。
- 出張者が出張申請書を作成、上司・上長へ提出
- 上司・上長の承認
- 人事部等へ出張申請書を提出し欠勤扱いにならないようにするなどの内部手続きをする
- 出張者が秘書・アシスタントに伝える
- 秘書・アシスタントが出張者に必要事項を確認する
- 秘書・アシスタントが移動手段の予約やホテルの予約を行う
- 秘書・アシスタントが日程表・旅程表を作成する
しかし、企業の中で、出張者・秘書等がこれらの業務を行うことはあまり効率が良くないので、システムを使うこと、そして、外部のサービスプロバイダーを使って、サービスを受けることが主流になっています。
また、出張手配業務は上記にご紹介した通りです。しかし、少し間口を広げて考えてみると「出張関連業務」とは、非常に手間のかかる業務です。
例えば経費精算や、保険加入など、業務部門・経理部門・人事部門・総務部門・場合によってはコンプライアンス部門など、多数の当事者が関与する可能性のある業務で、しかも事務手続きは工数がかかりがちです。
特に、海外出張が増えた今日では、保険の契約管理・危機管理・海外赴任している人員の健康管理まで含めて、コストも管理の手間もかかりがちな傾向にあります。
コロナ禍のため、以前よりも海外出張は減っているとはいえ、やむを得ない海外業務の際には、従来よりも徹底した安全管理が求められます。
そのため、コストや手間がかかる状況には変わりがないと同時に、むしろ増大しているといえるでしょう。
現在の出張手配はシステムが主流、でも秘書の便利さも欲しいのがホンネ
そのため、出張手配には、クラウドサービスなど、紙を使わず、システムに行わせ、データ連携や、データのインポート、アラート機能などを使い、極力自動でできるところを自動で進めます。
こうすることにより、出張手配・出張関連業務の工数を減らす・あるいは、時間を減らすなどして、効率化を図っているのです。
人の手で行うこととは、効率性でみると、非常に改善していると思われるのが全体の傾向です。
ただし、システムの利便性にはばらつきがあると同時に、人の手で柔軟に対応したほうがかえって簡単・早い、という部分があるのは否めません。
こうした場合アウトソーシングサービスを活用する・従来通り、秘書・アシスタントに依頼する、という対処をしたほうがむしろ適切ということになるでしょう。
出張手配サービスとは?
出張手配サービスは、現在システムの提供や、業務のアウトソーシング化が進むので、従来とは比べ物にならないくらい各業務の工数や、時間を削減しています。
会社の内部リソースで出張手配手続きを終わらせる・人の手に頼る、というのはむしろ少数の小規模の会社のみ、といってよいと思います。
提供者とは?
出張手配サービスのサービスプロバイダーとしては、大きく分けると次の3通りです。
- 旅行会社
- システム会社
- アウトソーシングサービス会社
サービスの主流はアウトソーシング+システム提供
中でも、旅行会社は、システム会社のシステムと、旅行会社のコールセンター・サポートセンターなどと組み合わせて、システムの効率性と、人の手の柔軟性を双方提供する出張手配サービスを行っています。
餅は餅屋、ということばではないですが、一般的に、旅行を最もよく知る旅行会社が提供するサービスは使い勝手がよいとされています。
また、アウトソーシングサービスとの組み合わせにより、きめ細かく柔軟なサービスを提供していることが多いのも旅行会社です。
サービスのメリットとは?
旅行手配サービスのメリットは、特に旅行手配業務を少し広めに考えた場合には、利用するメリットが多くありますし、また効果にも定評があります。
効率化・コスト削減効果
出張手配サービスでの予約はオンライン、システムもクラウドなら比較的に安価~無料でも利用可能です。
出張手配システムの中には、出張申請・決裁もシステムで管理できるものがあります。人の手とは違い、早くて正確であると同時に、申請書・決裁書などのドキュメント管理も楽に簡単に行えます。
予約は、旅行会社提供の出張手配システムであれば、オンライン予約システムとも連携しており、画面上で即時確定も可能になることが多く見られ、これもまた大変便利です。
過去の出張データのエクスポート、他のシステムのデータのインポートも可能ですので、導入や、その後の運用事務もデータを活用して効率化できるものが多くなっています。人の手でエクセルに入力・管理するのとは利便性が大きく違います。
効率化は、人件費を中心とするコスト削減効果にプラスになっているのは言うまでもありません。
旅程管理・安全管理・危機管理も便利に
出張の管理は、なにかと手間がかかるものですが、現在は出張手配システム上、旅程の流れがよく見えるので、各種管理もかつてより容易です。
また、海外出張の場合、従業員の安全管理・安全確保、危機管理も課題となりますが、出張手配システムなどを使うと、保険加入状況なども含め、ダッシュボードなどで見える化が行われ、管理しやすくなります。
さらに、海外からの連絡・問い合わせもアウトソーサーによるコールセンターなどが簡単に利用でき、24時間対応であるところもあります。特に旅行会社で提供するこうしたサービスは、コロナ禍では特にプラスの側面が大きいと考えられます。
コロナ禍の危機管理に関する内部規則などとは、システムによる管理は相性がよく、もれなく管理ができるうえ、後からの監査にも対応しやすくなります。
経費精算も楽に
出張手配システムの中には、経費精算機能が充実しているものがあります。小口現金・仮払・買掛管理(締め払いで代金を支払える旅行会社の場合)をするのも楽になります。
経理システムと出張手配システムとは、データ連携・API連携が可能なものもありますので、連携を利用するとより業務の効率化を推し進めることができるのです。
サービスの選び方の注意点とは?
こうした特に便利な旅行会社提供の出張手配サービスも、各旅行会社で内容には幅があり、違いがみられます。
すると、自社で使いたいと思っていたサービスがA社ではあるが、B社ではないということもありがちです。
そこで、例えば、海外の出張手配を重視するか、しないのか、国内のJRでの出張予約中心で、航空券にはあまりこだわらない、など、御社のニーズに合わせたサービスを選ぶことが重要です。
そうでないと、出張手配サービスでできないこと(例:海外出張の手配はできない、など)のため、思ったような経費精算の効率化が図れない、といった結果となります。
旅行会社は各社で出張手配システム(またはプラットフォーム)がありますが、これらの機能・仕様もまたまちまちです。料金・使い勝手、そして、どんな機能を使うと、何が効率化されるのか、具体的に考えてみましょう。
面倒なようですが、仮にそのシステムを使わないと、どれくらいの時間がかかり、システムだとこれくらい、といった比較は数値で行うと、よりサービス選定の根拠がはっきりするのでおすすめです。
まとめ
出張手配サービスの現在の主流は、システムを利用し、アウトソーシングを組み合わせています。旅行会社によくみられるサービス形態です。
一連の出張手配業務に加え、出張関連業務も効率化できるので、人件費を中心とするコスト削減効果も出やすい、というメリットがあります。
サービスの内容は、会社ごとに異なる面があるので、よく比較検討し、御社にあったサービスを選ぶようにしておきましょう。
関連記事:
これからの法人予約はスマートに!出張手配専門の旅行会社7選
出張手配の合理化、法人契約5つのポイントとおすすめ10選
BTM機能がついた出張手配の導入が正解!人気の出張管理システムを徹底比較>
経費 削減案8選|かさみやすいコストを抑える効果的なアイデア総まとめ
業務改善とは?すぐに着手したいアイデアと成功に導くポイントを解説