出張手配のやり方を簡単解説!秘書として手配の管理も徹底しよう

秘書の仕事は、職場の上司のスケジュール管理や事務、来客対応だけではありません。
上司が出張することになった場合は、出張手配をしなくてはいけません。
秘書にとって重要かつ非常に緊張感のある仕事とも言えます。
上司も秘書を頼りにしているからこそ、様々な対応や手配を相談し課題を課すのです。
その期待を裏切らないためにも、出張手配のやり方を解説していきます。
企業によって出張手配のやり方は違いますので、一つのやり方として参考にしてみてください。
目次
出張手配の主な流れ
まずは、出張手配がどのような流れで行われるのか簡単に解説していきます。企業によってやり方に違いがありますので、参考程度に確認していきましょう。
- 出張者本人(上司など)が出張申請書を記入して上長へ提出する
- 書類に不備がなければ上長の承認が降りる
- 人事部へ申請書を提出し、出張中は欠勤扱いにならないようにする
- 秘書は上司から出張のことを聞き、どのような準備がいるのか確認する
- 情報を基に移動手段やホテルの予約を行う
- 日程表・旅程表を作成する
上司に出張の内容をすべて確認する
秘書は上司から出張の話があった時点で、まずはどのような内容なのか確認作業を行いましょう。秘書として確認しておくべき点は以下の5つです。
目的 | なぜ出張に行くのか(会議、視察、イベントなど) |
---|---|
日程 | 何月何日から何月何日までなのか(宿泊期間や移動時間なども) |
場所 | どこで行われるのか(国内外) |
移動手段 | 何で行くのか(新幹線や飛行機、タクシーなど) |
参加者 | 誰が参加するのか(単独なのか社内の人と行くのかなど) |
これらを聞き出したら出張手配の着手に入ります。
出張手配する際に重要なのは、「秘書の独断ではなく上司の好みに合わせること」です。快適な移動手段、休みやすい部屋、美味しい料理など、色々と考えていくことがあります。
事前に聞き出しておくことも重要ですが、上司に時間を取らせないために過去の記録などを探して、自分で分かる部分は調べておきましょう。
新幹線や飛行機の予約のやり方
出張手配の大きな仕事として、移動手段である新幹線や飛行機のチケットを取るというものがあります。簡単そうに見えて、意外と準備しなくてはいけない情報が多いのです。ここでは、そんなチケット取得までに必要な情報や流れを解説していきます。
一番大切なのは、情報を聞くのは一度きりにしてしっかりとメモを取ることです。上司も暇ではありませんので、何回も同じ質問をされると業務に支障が出るかもしれません。上司の代わりに出張手配をしているのに、上司の手を煩わせては意味がないです。
新幹線で必要な情報
まずは、新幹線で出張する際に必要な情報を集めましょう。基本的には以下の情報を出張の行く上司に聞くことをおすすめします。
乗車するクラス(席)
自由席でも良いのか、指定席を取るべきなのか、それともグリーン車なのか確認しましょう。
企業によっては、前もって役職によって座席クラスが決められていることもありますので、その場合はそちらを参考にしましょう。
座席の好み
座席は2人席/3人席、窓側/通路側、最前列(足元が広いため)、充電設備(窓側や最前席にしか設置されていないことがあるため)、荷物置き場からの距離、喫煙ルームに近い号車、トイレから近い号車など多くあります。
とくに「座席の好み」を聞く際には注意しましょう。細かく一気に聞いてしまうとイラッとしてしまう可能性もあるからです。
そのため、基本的には乗車するクラスと窓/通路どちらが良いかだけ聞き、「他に何か要望はありますか?」と質問するのが良いでしょう。「特に要望はない」や「そこら辺は任せる」と言われた場合に限り、状況を確認しながら自分で手配した方が良いです。
飛行機で必要な情報
出張で飛行機を利用する場合は、国内線なのか国際線なのかで必要になる情報が変わってきます。
国内線の場合
国内線の場合は、そこまで必要になる情報は多くありません。
- 氏名(カタカナ)・年齢
- 利用する航空会社
- 搭乗クラス
- 航空券のタイプ
- 席の好み
- マイレージ番号
基本的にはこのくらいの情報があれば予約を取ることができます。
注意点としては、利用する航空会社によって対応している搭乗クラスが違うという点です。同じクラスもあれば、会社独自のクラスも用意されています。
そして、席の好みも飛行機では意外と重要です。すぐに席を立てる方が良い人は通路側が良いでしょうし、機内で事務作業などされる場合は他の乗客に邪魔されにくい窓側の方が良い場合もあります。
あとは、航空券を予約する際に「先得」などを利用してしまうと、変更・キャンセルができないこともあります。秘書が付くほどの役職にもなると、スケジュール変更やダブルブッキングは日常茶飯事とも言えるでしょう。
出張規定にもよりますが、確実に利用することが決まっていない限り、このような航空券を利用するのはさけておいた方が良いでしょう。
国際線の場合
国際線の場合は、国内線よりも多くの情報が必要になってきます。トラブルを避けるためにも、以下の情報はすべて把握しておくようにしましょう。
◆国際線の手配時に必要な情報
- フルネーム(ローマ字)
- 国内線の氏名と違う点は、普段から使っている氏名とパスポートに記載されているフルネーム(ローマ字)が違っていることがあります。そのため、必ずパスポートのローマ字を事前に確認しておきましょう。
- 生年月日
- 国内線と違い年齢ではなく生年月日が必要となります。
- パスポート情報
- 利用する航空会社によっては、パスポート番号や有効期間などの情報を事前通知が必要です。パスポートの写しを会社として保管しておくと良いでしょう。
- 経路や航空会社
- 直行便希望か経由便でも良いのかや、希望する航空会社を確認します。また、特定のアライアンス(スターアライアンス、ワンワールド、スカイチーム)を希望する場合もあります。
- 搭乗するクラス
- 国際線になると、クラスも少し増えてエコノミー/プレミアムエコノミー/ビジネス/ファーストなどがあります。
- 座席の好み
- 国内線と同じく窓側か通路側、前方か後方など座席の希望を確認します。また、最近の国際線では、ほとんどの航空会社が事前の座席指定を有料としていますので、有料だった場合でも座席指定をするのかといったところも確認が必要です。
-
- マイレージ番号
- マイレージカードの有無と各航空会社毎にマイレージ番号を事前に確認しておきます。また、同じアライアンスのマイレージ番号が複数ある場合は、どの航空会社のマイレージ番号にマイルを貯めるか優先順位も聞いておくと良いでしょう。
- マイルなどを利用したアップグレードの有無
- 貯まったマイルやポイントを使うことで、クラスのアップグレードなどが行える場合があります。それを行うかどうか確認しましょう。
- WiFiレンタルの有無
- 渡航先によっては携帯会社のパケット定額サービスが利用できない場合もあるため、WiFiレンタルの有無を確認しておきましょう。
- 各種ビザやESTAなどの期限
- 渡航先によってはビザやESTAなどがないと入国できないため、各種ビザの要否、取得済みの場合の有効期間の確認は必須です。
以上の情報は最低限確認するようにしましょう。
初めて使う旅行代理店だった場合、「必要情報確認書(※国際線のみ)」の提出が求められることが多いです。必要情報確認書とは、パスポート情報や自宅の住所、緊急連絡先などのことを指します。秘書はその情報を手元の資料で埋めるのですが、分からない部分のみ上司に聞くようにしましょう。できれば、秘書として着任した時点で上司の身分証明書やビザ(査証)などの写し(コピー)を貰っておきたいところです。
日程表・旅程表の作成業務
出張手配の準備が終われば、最後の残っているのが出張手配の情報をまとめた「日程表・旅程表」の作成業務です。普段から事務作業している人にとっては簡単かもしれません。
作成のやり方は人ぞれぞれあると思いますが、一番簡単で間違いないやり方としては会社がすでに利用しているフォーマットを活用することです。もし会社に決まったフォーマットがない場合などは、先輩が使っているフォーマットを借りるのも良いでしょう。自分用に改良して事務所に保管するのも良いかもしれません(※許可は取りましょう)。
内容としては、アジェンダを基盤とした行程、用意したフライトチケットの写し、泊まるホテルの場所やチェックイン・チェックアウト時間などの情報宿泊情報、出張の目的地(会議場所など)の地図(ナビ)、緊急連絡先などです。旅行代理店が作成してくれるようなクオリティを目指しつつ、それを超えるくらい細かく設定すると良いでしょう。紙媒体でも良いですが、PDFにまとめておけばタブレットやスマホなどからでも簡単に確認できるのでおすすめです。
電車の時間であったり、基本的な移動時間はネットで調べることができます。おすすめは「Google map」です。Google mapで行き先を設定することで、徒歩・車・電車などあらゆる移動手段でかかる時間を算出してくれます。あくまで概算値となっていますので、予定時間よりも余裕を持って行動するように注意書きなどを載せておきましょう。
このように、日程表・旅程表があることで出張先の上司の状況確認もできますし、トラブルや突然の予定変更などにも対応しやすくなります。
出張手配を効率良く合理的に進めるのおすすめのやり方
ここからは、このような出張手配を効率良く行っていくにはどのようなやり方があるのか簡単に紹介していきます。どれも簡単なことですので、ぜひ参考にしてみてください。
- 出張手配のフロー整備
- 早期予約を使う
- 出張者向けプラン(個人・法人)を活用する
出張手配のフロー整備
最も対策しやすく、今すぐにでも実行できるのが「出張手配のフローを整備しておく」です。
上司の出張が決まったらどのような手順で手配していくのか、利用するサイトや書類はどれなのか、個人的に用意しておくべきものは何なのか、相手の法人に渡す資料は何なのか、などをまとめて紙媒体やPDFなどで保存しておきましょう。
これは手配する秘書だけでなく、出張する側にも以下のような部分をまとめておきましょう。
- 申請書類などの誤字・脱字などミスしやすい部分の注意書き(修正に時間を取らせないため)
- 新幹線や飛行機、ホテルなどの時間やルートの事前確認
- 提出期限の厳守や出張が決まった際の迅速な連絡
これらのような手順を確実にこなすことによって、無駄な行動がなくなり出張手配の最適化が望めるようになります。
早期予約を使う
旅費を抑えるのは大切なことですが、あまりコストパフォーマンスばかりに拘っているのも問題があります。コストパフォーマンスを良くして、従業員のモチベーションを下げていては意味がないのです。
ベストなのは、コストパフォーマンスを抑えつつもモチベーションを上げる出張にすることと言えるでしょう。そのためには、移動手段やホテルのランクを下げるのではなく、下げずに安くする方法を見つけなくてはいけません。
その方法の中で最も分かりやすいのが「早期予約」です。一般的に、飛行機やホテルなどは早い段階で予約すればするほど安く使えます。時期や環境によっても異なってきますが、同じ部屋でも1週間前の予約と2ヵ月前の予約では半額近くの差が出ることも充分考えられるのです。
早めに予約する場合には、インターネットによる予約をおすすめします。電話予約と違ってネットで予約状況をすぐに確認できますし、急な予定変更の手続きも簡単です。
出張者向け(個人・法人)プランを活用する
もし宿泊用予約サイトなどでホテルを予約する場合、出張者に向けたプランを提供しているホテルを選んでみましょう。基本的にはコスト削減に繋がります。
宿泊施設によっては、契約している企業のみが使えるお得なプランなども用意しています。その他にも一括精算に対応していたり、様々なサービスが無料で付いてきたりなど利用するに越したことはありません。宿泊費の立て替えなども必要なくなることもあり、精算業務をカットすることもできます。
予約する前には、しっかりと利用規約や適用条件の確認を怠らないようにしましょう。
出張手配の手間を省くサービスやシステムも

出張手配は難しいことではありませんが、普段の事務作業をこなしながら行うのは少し手間です。そこでおすすめなのが、出張手配を行ってくれるサービスや管理してくれるシステムを利用することです。使い方も難しくなく、システムなどはログインするだけで確認きるものもあります。今では10以上ものサービスが展開されているくらいです。
出張手配代行サービスの利用も検討しよう
秘書が個人的に出張手配を行っても良いのですが、手間を削減するのであれば「出張手配代行サービス」の利用も検討してみましょう。旅行会社などが行っているサービスですが、出張手配代行サービスとしてやってくれるのは、出張プランの提案・精算承認業務までの提案などです。
もちろんサービスによってシステムも内容も料金も変わってきますが、出張手配業務の手間がいらないのは非常に楽と言えるでしょう。
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出張管理システム(BTM)の導入
出張管理システム(BTM)とは、出張申請から手配、精算まで様々な出張関連業務を一括で管理してくれるシステムです。このシステムを導入することで、業務効率化するだけでなくコスト削減にも繋がります。
システムによってサービス内容も違いますが、基本的には新幹線のチケットや航空券を取ってくれるサービス、ホテルの手配サービスまで行ってくれます。
出張申請・承認など出張関連業務をシステム内で完結するため、業務改善とコスト削減を同時に解決できるシステムです。出張旅費規程などもシステム内に反映できるものもあり、万が一のトラブルにも対応することができます。
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まとめ
今回の記事をまとめると以下のようになります。
- 出張手配の細かいやり方は企業によって違うが基本的な流れは同じ
- 秘書が出張手配するやり方と、旅行代理店が出張手配するやり方がある
- 移動手段、ホテルなど出張手配に必要な情報はしっかりと聞き出す
- 出張手配を効率化するやり方は簡単なので活用すべき
出張手配はミスの許されない業務です。どれだけ経験豊富な秘書であっても出張が終わるまでは緊張感から解放されないでしょう。自分では完璧なプランを立てたと思っていても、それが上司にとって完璧だったかは分かりません。相手の法人に迷惑をかけてしまった可能性もあります。出張から帰ってきた上司から色々と意見を言われるかもしれません。
しかし、それで凹んではいけません。むしろ「次に期待されているから個人的に意見をくれた」と思って、自分の秘書としての力に蓄積していきましょう。
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この記事を書いた人

エルクトラベル編集部
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出張手配専門旅行会社の株式会社エルク(エルクトラベル)のメディア編集部。
これまで2,300社以上の出張関連業務の効率化を支援してきた実績を活かし、出張者はもとより出張に関わる経理や総務などのバックオフィス部門にも役立つビジネス情報を発信しています。