出張先で災害に遭遇した場合に備えて知っておきたいこと

台風などによる暴風や豪雨、洪水が起こりやすい日本。
地震や津波、噴火などの異常な自然現象が起こることもあり、出張先で災害に遭う可能性もゼロではありません。
そこで、出張先で災害に遭ったときの労災や、被災時の対応方法を紹介します。
出張中は災害に遭う可能性も
日本では多くの自然災害が発生し、毎年たくさんの人が被災しています。
出張先として訪れた土地で災害に遭うこともめずらしくなく、出張先での避難を余儀なくされることがあるでしょう。
災害によって怪我をすることもあり、家族と会えないまま治療をしなければならない可能性もあるのです。
出張中なら当然労災の適用に?
業務中にケガをした場合には労災が適用されます。
労働基準法において、企業は被災した従業員に対して補償責任を負わなければならないと定められていますので、治療費や働けない間の生活費などを補償しなければなりません。
ただし、労災が適用されるのは、労働者が使用者の指揮命令下にある状態で起こったケガや病気の場合です。
そのため、仕事に関連していない事故に対して労災は適用されません。しかしながら、出張先での災害時にはほぼすべてのケースにおいて労災が適用されるでしょう。
出張先での業務遂行性と業務起因性の有無
出張先で災害に遭ったときのケガのほとんどに労災保険が適用されますが、労災保険が適用されない場合もあります。
労災が適用されるかの問題となるのが、業務遂行性と業務起因性があるかという点でしょう。
労災保険は労働者が業務上の負傷や疾病に対して給付されるものですので、出張先であっても業務遂行性や業務起因性のないものには適用されません。
移動中でも出張時は業務遂行性がある
労災の適用で問題とされる業務遂行性は、事業者の命令によって特定の用務を果たすための行為であったかという点で判断されます。
出張は会社からの命令によって通常の勤務地から遠方へと出向き、用務を果たして会社へと戻る一連の過程です。
よって、出張の過程すべてが業務行為として考えられ、出張先での災害には業務遂行性があると捉えられています。
企業が宿泊費を支給し、場合によっては出張時にかかる食事代として日当を支給することもありますので、出張先中の行動は業務に付随していると考えやすく、労災が適用されることが多いでしょう。
よって、移動や食事、宿泊の間に何かが起きた場合でも労災として判断されるのが特徴です。
例を挙げると、ホテルで筋トレ中に転倒した場合や、懇親会に参加して食事を取ったときに食中毒に感染した、さらに、出張先でコロナ感染をした場合にも適用されるでしょう。
労働時間の観点から考えると、出張先への移動時間は業務時間としてカウントされず残業手当などが付与されません。
しかし、自宅から出張先へと直行するときに災害に遭っても業務災害となり、労災が適用されるのです。
積極的な私的行為と判断されると労災が適用されない
出張先での災害は業務遂行性があると判断されやすく、労災が適用されることが多いでしょう。
しかし、出張先での私用や私的行為などは業務遂行性が失われていると判断され労災が適用されないことがあります。
出張先で労災の判断が難しくなる事例
ここからは、出張先での災害でも労災の判断をしてもらいにくいケースを詳しく説明していきましょう。
まず、出張先での宿泊場所を事業主から指定されているにもかかわらず、ほかの宿泊先を利用したときには業務遂行性を失っていると判断されます。
出張先に近いからと実家や友人の家に泊まった場合には、業務遂行性が認められず、労災が適用されないでしょう。
また、通常の出張経路を逸脱しているときも、業務遂行性が認められません。例えば、出張先で外出し、飲み歩いているときの事故などが挙げられます。
ホテルの階段から転落しても労災として認められますが、私的な理由でお酒を飲み、泥酔している場合には労災保険が適用されません。
また、長期出張時に休暇を取り出張経路から離れて観光をしているときに災害に遭っても業務遂行性は認められないでしょう。
出張先で新型コロナに感染した場合は?
新型コロナウイルスが猛威を振るう中、ワクチン接種がまだの場合には出張先での感染に恐怖を抱くことも多いでしょう。
出張先で新型コロナに感染した場合には、労災として認定されるのか気になる人も見られます。結論からいうと、出張先で新型コロナに感染すると労災の認定が可能です。
ただし、労働基準監督署が定める対象者や基準に当てはまる必要があります。
医療従事者は労災認定の対象
医師や看護師、介護従事者などの医療従事者は新型コロナウイルスに感染するリスクが高いでしょう。
そのため、仕事以外での感染でないことが明らかであれば、労災の対象となります。
業務中に新型コロナに感染したことが明らかな場合
医療従事者でなくとも、業務中に新型コロナに感染したことが明らかなケースでは労災保険が適用されます。
新型コロナウイルスに感染している同僚と同じ車で出張先に向かった場合や、出張先の宿泊施設で同じ部屋だったというケースであれば労災として認められるでしょう。
新型コロナへの感染リスクの高い仕事
医療従事者以外にも、新型コロナへの感染リスクの高い仕事もあります。
顧客と近い距離で接触する機会が多い労働者や、複数人の感染が確認されている職場で働いていた人は労災保険が適用されるのです。
海外出張の場合
出張先が海外であり、出張先の国で新型コロナ感染拡大が広がっている場合には海外出張時の感染でも労災が適用されます。
出張先が海外というケースでは、どこが危険かが分かりにくいことから、しっかりと現地の情報を手に入れ、万全の準備で臨みましょう。
社員が災害に!求められる人事の対応は?
社員が出張先で災害に遭ったとき、労災保険が適用されるかの判断も重要ですが、会社は社員の安全確保に努めることも大切です。
出張先のホテルで地震に遭った社員がいるときには、予約していた飛行機などの欠航に備え、宿泊先の確保などをしておくのがオススメです。
災害情報関連をより早く社員に届けることも重要であり、社員の家族に安否を連絡する必要もあるでしょう。
社員が被災したかを確認するサービスも
出張先で社員が災害に遭ったときでも、通常の業務は続けられることがほとんどです。
よって、業務が中断してしまわないよう、また、中断してもすぐに業務が再開できるように社員の安否をできるだけ早く確認しなければなりません。
事業を継続して行うためには、緊急連絡網の整備も非常に重要でしょう。しかし、これらをゼロから作るのには時間と手間がかかります。
そこで、出張先で社員が災害に巻き込まれたときの安否確認や緊急連絡ができるサービスも登場しているのです。
このサービスを利用すると、パソコンや携帯電話で素早く安否の確認が取れますので、安心感が得られるでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大が広がり、災害だけでなく新たな脅威にも直面しています。いかなる事態においても、このサービスは非常に有効ですので、導入を検討してみるのがおすすめです。
出張先での災害時にすべきこと
出張先で災害に遭っても慌てないよう、会社は社員に災害時の対応を周知しておくことも大切です。
出張先で災害に遭ったときには、避難所ガイドをはじめとした防災アプリの活用を徹底させましょう。
災害用アプリを使用すると、出張先などの土地勘がない場所でも一番近い避難場所が検索できます。
また、出張先の宿泊施設にガイドブックなどが用意されているのであれば、災害時や緊急時の情報を確認しておきましょう。
地元の病院や緊急事態が起こった時の連絡先が書かれていますので、万が一のときに役に立ちます。
さらに、宿泊先のスタッフの指示に従い、行動するように促すのもオススメです。
右も左もわからない出張先で慌てた行動をするのではなく、会社からの連絡があるまで宿泊先に留まることで連絡が付きやすくなる可能性も高いでしょう。
ホテルに延泊の可否も確認しておくと安心感が得られます。
そのほか、災害時に帰宅が困難になった人を支援する災害時帰宅支援ステーションを活用するのも1つの方法です。
災害時帰宅支援ステーションは都道府県や市町村と協力し、水道水の提供やトイレの貸し出しを行う施設をいいます。
コンビニやファミレス、お土産店、ガソリンスタンドなどが支援施設として指定されており、「災害時帰宅支援ステーション」のステッカーが貼られていますので見つけやすいでしょう。
これらを上手に利用すると、出張先の業務中に災害に遭っても慌てることがありません。
出発前の準備も大切
出張先に出かける前には災害に遭う可能性があることも考え、しっかりと準備をしておく必要があります。
しかしながら、たくさんの防災関連グッズを持って出張に行くのは非常に難しいため、最低限所持しておくべきものを紹介しましょう。
まず、出張先でケガや病気になったときに備えて健康保険証が必要です。
また、あなたの身分が証明できる運転免許証も持って行きます。
災害時にはクレジットカードが使えないことも考え、現金も用意しておくのがおすすめです。
災害が長引き、携帯電話が充電できなくなることにも備え、モバイルバッテリーもあると便利でしょう。
さらに、緊急連絡先をメモしておくと安心です。
災害時に煙やほこりを吸い込まないためのマスクや、非常食となるお菓子もあると役に立ちます。さらに、必要な人は常備薬や眼鏡も忘れないようにしましょう。
出張手配で災害のリスク回避を
出張先の業務中に災害に遭った場合には企業だけでなく出張者にも大きな不安がのしかかるでしょう。
そのため、確実に安否が確認でき、簡単に避難場所を確保できる方法を知っておく必要があります。
そこでおすすめなのがエルクトラベルでの出張手配でしょう。
出張手配をエルクトラベルに任せることで、万が一出張先で災害に遭った場合でも、スムーズに解決できます。
社員の行動管理が簡単で安心
エルクトラベルで手配した交通機関やホテルは、管理者が簡単に調べることができます。
よって、出張先で災害に遭ったときでも社員がどの新幹線に乗っているのか、どこに宿泊しているのかが分かり、安否の確認がしやすくなるでしょう。
社員の行動管理ができることは有事の際に非常に役に立ちます。出張者の家族にも連絡が取りやすくなりますので、安心感が高まるでしょう。
災害時にも安心のホテルの手配が簡単に
エルクトラベルの国内ホテルは楽天トラベル・じゃらんとオンライン提携をしています。
国内大手の旅行会社と連携して宿泊施設が探せますので、豊富な種類の中から出張先にぴったりのホテルが見つかるでしょう。
防災対策が万全のホテルや、新型コロナ対策をしっかりとしているホテルもありますので、安心して出張先に出かけられます。
さらに、災害時には人事がホテルに連絡を取り、延泊が可能かといったやりとりも簡単にできることから、社員の安全が守りやすくなるのです。
ウィークリーマンションの手配も任せられる
新型コロナウイルスはいつどこで感染するかわかりません。出張先ではたくさんの人に会う機会も増えることから、感染リスクも高まるでしょう。
そこで、ホテルではなくウィークリーマンションへの宿泊を求める出張者もいます。
エルクトラベルでは、ビジネスホテルだけでなくウィークリーマンションの手配も積極的に行っているのが魅力です。
ウィークリーマンションであれば多くの人に会うことなくゆっくりと過ごせますので、出張先でも快適でしょう。
また、ホテルと比較しても安い料金で宿泊が可能ですので、出張経費の削減にもつながります。
エルクトラベルの出張手配で災害に備えよう
出張先で災害に遭うと、労災保険が適用になることが多いでしょう。
業務中に災害に遭遇したことが明らかである場合には、出張先のほとんど場合において、労災が認められます。
また、会社側も社員が出張先で災害に遭った場合には、しかるべき対応が必要です。
社員の安否の確認や家族への連絡、宿泊施設の延長など、災害時にもしっかりとした対応をしましょう。
そこで、エルクトラベルの出張手配を利用するのがオススメです。エルクトラベルであれば社員の行動管理ができますので、迅速で誠実な対応が可能になるでしょう。
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この記事を書いた人

エルクトラベル編集部
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出張手配専門旅行会社の株式会社エルク(エルクトラベル)のメディア編集部。
これまで2,300社以上の出張関連業務の効率化を支援してきた実績を活かし、出張者はもとより出張に関わる経理や総務などのバックオフィス部門にも役立つビジネス情報を発信しています。