秘書による上司の出張手配業務、手間を減らして効率化する方法を解説

出張へ行く際、誰が交通機関を決めて、誰が宿泊先を決めるのでしょうか。
一般的な大手企業の場合、出張に行く社員が会社へ申請して経理や総務担当者が出張手配を行い、出張後に経費が精算されるという流れが多いでしょう。
スケジュール管理や事務作業が多くなるため、経理や総務担当者の少ない中小企業や出張が多い企業の場合は、出張手配に関わる一連の流れを取りまとめるのは難しくなります。
また、上司や取締役社長など位の高い人が出張へ行く場合、その手配を秘書がすることも少なくありません。
ただ、秘書が抱える業務は非常に煩雑なため、大きな負担になってしまいます。
秘書が出張手配を行うことに大きな負担を感じている企業や、出張手配をもっと簡素化し、スムーズな出張手配を行いたい企業におすすめのサービスをご紹介します。
秘書による出張手配の課題点とは
出張手配のやり方は会社によってさまざまですが、その工程が複雑なのは言うまでもありません。
一般的な企業の出張手配の流れは、以下のとおりです。
- 出張申請を行う
- 上司が承認をする
- 経理担当者など担当部署で航空券や宿泊先の手配をする
- 海外の場合現地コーディネーターとのやり取り
- 事前の仮払金がある場合は申請後、承認・支払い
- 出張後の経費精算
などがありますが、さらに国内外での出張ではまた対応も異なります。
特に上司の出張は過密なスケジュールの中で行われることが多く、失敗が許されない状況になることもしばしば。
予約をキャンセルしたり、内容を変更したりするなどのトラブルも発生しやすく、出張手配を行う側は非常に緊迫するでしょう。
また、経理担当者など専門の部署が必ずしも出張手配の担当をするわけではありません。
秘書による出張手配を行う場合、スケジュール管理や書類作成、来客応対など通常業務の合間に出張手配をするため、大きな負担になります。
秘書の仕事内容とはいえ、ミスの許されない・手続きの多い出張手配は、できるだけ負担を減らしたいものです。
課題①管理・予約…秘書への負担がかかり過ぎる
前述のとおり、秘書が出張手配を行う場合、通常業務に加えて出張手配を行わなくてはならないため、大きな負担がかかってしまいます。
大手企業の場合、経理・総務など専門部署が対応にあたりますが、そうでない場合や上司の出張に限っては秘書が行う場合も少なくありません。
秘書の実務内容として出張手配も挙げられるものの、新幹線やフライト時間の確認・検索、宿泊先となる旅行代理店への問い合わせ、上司へ予定を伝え、必要な書類や情報を用意するなど、その工程は非常に複雑です。
他部署のサポートを受けられることもありますが、基本的には秘書がひとりで出張手配を行うことが多いため、かなり大きな負担だと言えるでしょう。
課題②上司の出張手配は細かな対応が必要
秘書が出張手配を行うイコール、会社の中でも取締役や役員など立場の高い人であることが一般的です。
その場合、他の社員とは違いランクの高い宿泊先を手配したり、グリーン車やファーストクラスなどグレードの高い交通手段を手配したりする場合があります。
また、その中でもさまざまな要望があり、細かな対応を強いられるケースも少なくありません。
- 新幹線や飛行機は通路側/窓側
- 喫煙者の場合、喫煙場所が近いかどうか
などが挙げられますが、その他にも要望がある場合にはできる限り対応しなくてはなりません。
これを踏まえた出張手配を行うため、秘書はかなりの労力を要すると言えるでしょう。
課題③仕事の都合でイレギュラーが多い
上司の出張手配は、他の正社員に比べてイレギュラーが多く、対応に追われることがよくあります。
重要度の高い他の仕事が入ってしまったり、他の正社員にバトンタッチして上司は別の出張へ行ったりと、とにかく臨機応変な対応を求められます。
そのため、一度予定変更になると秘書はこれまで行っていた出張手配の工程をすべて変更したり、キャンセルしたりせざるを得ないのです。
たとえば、航空券・新幹線のチケットキャンセル、宿泊先のキャンセル、現地コーディネーターへの連絡など、すべて秘書が行います。
仕事による変更は仕方ないとしても、秘書の手間は2倍以上に。
せっかく出張手配をしてもこのように変更やキャンセルが多くては、秘書のモチベーションも下がってしまいます。
課題解決方法とは?
社員とは異なり、イレギュラー対応が多くなる上司の出張手配ですが、課題を解決するための方法を見てみましょう。
- 出張手配時のテンプレートを作る
- 出張手配代行サービスを利用する
それぞれを詳しくご紹介します。
出張手配時のテンプレートを作る
出張手配の際に必要な手続きや調べものについて、テンプレート化しておきましょう。
出張手配時に必要な情報の項目をリスト化し、新たな出張がある場合はそれを埋めていけば良いというものです。
- 日程
- 交通手段
- 宿泊情報
- 現地の気温や情勢
- 会議場所など訪れる場所の地図
- 緊急時の対応
- 現地役員を派遣したりコーディネーターへの依頼
これらの情報を盛り込んだテンプレートを作成しておけば、旅程表としても応用でき、上司や秘書がそれぞれ持っておくことで情報共有も簡単にできるようになります。
万が一トラブルが起こった際や仕事中にも、上司や役員が今どこにいて何をしているかが一目で把握でき、スムーズに対策が取りやすくなるでしょう。
出張手配代行サービスを利用する
出張手配代行サービスとは、出張手配に関する一連の手続きを代行してくれるサービスのことをいいます。
多くのメーカーや大手企業・中小企業でも導入されており、経理担当者など出張手配を行う部署の負担軽減に役立っています。
大手企業の場合、出張手配などの業務は経理や総務部といった部署が担当することが多く、秘書が出張手配を行うのはごくわずか。
また、大手の場合、経費精算などを行う経理担当者を正社員ではなく派遣社員として求人し、多くの人員をまわすことも多く見られます。
しかし、それでも出張手配の手続きは煩雑で、時給を上げて求人を出したとしても、手が回らないことも少なくありません。
それほど出張手配手続きは難しく、上司・役員の好みを把握しきれない派遣社員では、正社員ほど対応しきれない部分もあります。
出張手配代行サービスは「出張手配の代行」を専門に行うサービスのため、秘書のようなきめ細やかな出張手配が可能です。
秘書の負担軽減にもつながり、出張手配の仕事がよりスムーズになります。
出張手配代行サービスとは?メリットも紹介
出張手配代行サービスについて、より詳しくご紹介します。
出張の申請や宿泊先の手配、経費精算といった、出張に関する一連の工程を代わりに行ってくれる出張手配代行サービス。
これまで秘書にかかっていた負担を大幅に軽減し、出張手配業務の手間を減らすことができるため、大手メーカーや人材派遣会社をはじめとする企業に導入されています。
たとえば、旅行会社として知られる株式会社JTBでは「Bzit」というサービスを、さらに派遣など人材広告会社の株式会社マイナビでは「マイナビBTM」というサービスを展開しています。
このように、出張手配代行サービスにはさまざまな種類がありますが、上司・役員の座席の好みをはじめ、細かな要望にも対応してくれるものも多く、まるで秘書のように出張手配を行ってくれるものもあります。
メリット①出張手配の効率化ができる
出張手配代行サービス最大のメリットは、出張手配の効率化です。
出張手配は宿泊先・交通手段の選定や予約はもちろん、接待にかかるお土産や現地の新着のようすなどさまざまな情報をもとにして、スムーズな仕事ができるようスケジュールを立てていきます。
こうした細々とした調査や計画立てを行わなくてはならないため、出張手配代行サービスを導入すると一気に効率化を図ることができます。
これまでは秘書ひとりで行っていた調査や出張手配も、出張手配代行サービスを利用すれば調査を効率良く進められるため、大きなメリットだと言えるでしょう。
メリット②秘書への出張手配の負担軽減
秘書ひとりで上司や役員の出張手配業務を行うのは、至難の業です。
乗り継ぎの新着時間、会議場へのアクセス、海外の場合は時差計算を行うほか、仕事そのものとは関係のない部分まで細かくフォローする必要があるからです。
出張手配代行サービスを利用すれば秘書への負担軽減ができ、本来の秘書の仕事に集中できるだけでなく、上司へのサポートもしっかりと行えます。
急な出張の場合でも、秘書が慌てて出張手配をしなくても、代行サービスが最適なプランを提案してくれるため非常に便利です。
また、中には秘書を派遣のスタッフとして求人を出し、外部から雇っている企業も少なくありません。
この場合、上司と秘書との間で綿密なコミュニケーションをとることが難しく、座席の好みや性格などの情報をじゅうぶんに仕入れるのが難しくなります。
しかし、出張手配代行サービスであれば秘書代わりにヒアリングから出張手配まで行ってくれるため、安心して任せられ、秘書の負担軽減になるでしょう。
メリット③コスト削減につながる
大手企業が出張手配代行サービスを導入している大きな理由として、「コスト削減」が挙げられます。
- 申請時の紙、印刷代などをカット
- お得な交通プランや宿泊先で旅費をカット
- やり取りにかかる時間や手間をカット
出張手配代行サービスでは、出張手配にかかるひとつひとつのコストを減らすことが可能です。
まず、出張申請を行う際、申請書(紙)をなくしてオンライン化することで、余計な経費をおさえられます。
これまでのように、出張承認を行う上司をはさんでやり取りする必要もなく、オンラインでスムーズな承認ができるようになります。
次に、交通手段や宿泊先について。
秘書が出張手配を行う際には、宿泊先・チケットの予約をそれぞれ行っていたため、合わせると大きな額がかかってしまうこともあったでしょう。
しかし、出張手配代行サービスなら、航空券(新幹線チケット)とホテルの宿泊セットなど、お得なセットプランを利用することができます。
よりお得な料金で利用できるよう、企業にとって最適な出張手配プランをコーディネートしてくれるのが大きなメリットです。
そのため、大手メーカーや広告会社などはもちろん、さまざまな業種で出張手配代行サービスが利用されるようになりました。
特に大手メーカーや人材派遣会社など、人数が多く出張の機会も多い企業では、経理担当者の仕事に出張手配が重くのしかかってしまうため、外部サービスの導入検討を行うといいます。
出張手配代行サービスは有料のサービスではありますが、それ以上に秘書の手間を減らしたり、出張に関するコストを削減できることから、多くの企業が取り入れています。
メリット④プロに任せられる
出張手配はスケジュール決めが非常に難しく、特に直前に予定変更が多い上役だと、キャンセルや当日の変更などのハプニングも起こり得ます。
そこで秘書が対応すると、通常の秘書業務がおろそかになってしまったり、残業せざるを得なくなってしまったりと、デメリットも発生しかねません。
出張手配代行サービスを利用すれば、こうしたハプニングも対応してもらうことができるため、秘書への負担を大きく軽減できます。
また、万が一海外にてトラブルが起こった場合も、現地の新着情報をもとに対応してくれたり、日本語や英語が話せる現地コーディネーターやサポート対応してもらうことが可能です。
上司のことをよくわかっている秘書が出張手配を任されるのは当然ですが、だからといって秘書の仕事に支障が出てしまうのは望ましくありません。
上司の好みについては、実際の出張手配前に秘書へのヒアリングもあるため、コメントしておけば適切に対応してくれるのも大きなメリットです。
トラブル時にもきちんと対応してくれる、出張手配代行サービスを利用すれば秘書の仕事によるストレスも軽減されるでしょう。
出張手配は「秘書なら当たり前」ではない
秘書としての業務には当然「出張手配」も含まれており、派遣社員や正社員ではなく上司や役員などの上役が出張に行く場合、秘書が出張手配をする前提であることが多いでしょう。
しかし、その仕事内容は一口に出張手配とは言い表せないほど、さまざまな気配りや煩雑な手間も含まれています。
上司や役員の好みや性格は、秘書としてそばで経験を積んでいく上で少しずつ把握するものですが、それでは出張手配時の効率化ができるのはずっと先になるでしょう。
そうではなく、出張手配代行サービスのようなプロに出張手配を任せることで、上司・役員や秘書にもヒアリングをし、適切なプランを組んでもらうことができます。
手配ミスをしてしまったときの損失やストレスは図り知れないため、その後の秘書業務に支障が出てしまうこともあります。
しかし、出張手配代行サービスを利用すれば、秘書の仕事・ストレス軽減につながるほか、コスト削減や手間を省けるため、会社にとっても誰にとっても大きなメリットになるでしょう。
また、現在秘書の立場で出張手配を行っている方にとって、この記事を読んで出張手配代行サービスを利用してみたいと思った方もいるかもしれません。
ただ、その希望を上司に伝えてOKがもらえるかどうかわからないという場合も、まずは「仕事の効率化」を理由に検討してもらうよう勧めてみると良いでしょう。
大手メーカーや人材派遣会社など、複雑な勤怠管理が必要な企業をはじめ、多くの企業で導入されている出張手配代行サービス、ぜひ検討してみましょう。